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2011.12.09

vol.102 胆石...突然の上腹部痛に注意を

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胆石のある人は意外に多い

Vol.102 胆石...突然の上腹部痛に注意を 会食の機会が多くなる時期です。脂っこい食事が続いたり、つい食べすぎたりしがちですが、そんなときに気をつけたいのが「胆石(たんせき)」です。食事の後などに、いきなり上腹部(みぞおち付近)に強い痛みが起こり、救急車で病院に運ばれる…そんな場面がこれからの季節には増えてきます。

胆石は、胆のうや胆管にできる石(結晶の集まり)のことです。病名は知っていても、体験者をのぞくと、ほとんどの方は自分に胆石があるとは思っていないでしょう。胆石は、痛みが起こるまでは自覚症状がないため、自分ではなかなか気がつかないのです。
また、日本人の胆石の70~80%を占めるコレステロール胆石は、レントゲンに映りにくく、それが発見を遅らせる一つの理由にもなっています(※1)。
ところが実際には、成人の10人に1人に胆石があるといわれるほどで、だれにでも起こりうる病気です。しかも胆石は少しずつ大きくなるので、中高年の方はとくに注意する必要があります。

胆石の痛みは、「身をよじるほど」とか「うずくまってうめくほど」と形容されることから想像できるように、とても激しいものです。そんな痛みを体験したくないのはもちろんですが、さらに最近の研究から、胆石があると胆道がんにもなりやすいことがわかってきました。
たかが胆石と軽視せずに、その原因や予防法について知っておきましょう。

(※1)胆石には、成分によって数種類のタイプがあります。コレステロール胆石のほか、血液の色素成分が多いタイプ(ビルビリン胆石)やカルシウムなどが混在したタイプなどがあります。コレステロール胆石は、一部が石灰化すると腹部レントゲン検査で見つかる場合もあります。

くり返す痛みは危険のサイン

胆石はどのようにしてつくられ、痛みを発生するようになるのでしょうか。
胆石のもとになるのは、脂肪の消化・吸収を助ける働きをする胆汁(たんじゅう)です。胆汁は肝臓でつくられ、胆管を通って十二指腸へと運ばれますが、その途中にある胆のうで一時蓄積されます。
胆のうでは、胆汁が10倍ほどに濃縮された状態になっています。それほどの濃度でもふだんは問題になりませんが、なんらかの原因…たとえば脂肪分の多い食事が続いたり、食事時間が不規則になったりすると、胆汁の濃度が異常に高い状態になります。その結果、胆汁の成分(コレステロールなど)の一部が結晶化し、やがて胆石ができるのです。
胆石が小さなうちは症状がほとんどなく、自然に排出されることもあります。しかし胆石がある程度の大きさになると、胆のうや胆管を傷つけたり、胆管を詰まらせることがあります。すると炎症を起こしたり、さらに細菌感染を起こしたりすることで、激しい痛みが生じるのです。
とくに細菌感染によって胆管が閉塞すると、痛みに黄疸、嘔吐、発熱などの症状も加わり、一刻も早く治療をしないと生命にかかわる状態(細菌性胆管炎)になるので注意が必要です。
もし、食事のたびに上腹部の痛みをくり返すような場合には、細菌感染などを起こす前に、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。

胆石と胆道がんのリスク

胆石があっても痛みなどの症状がなければ、日常生活に支障をきたすことはありません。
しかしその一方で、厚生労働省研究班の調査から、胆石の既往がある人(胆石がある人)は胆道がんを発症するリスクが高いことが指摘されています(※2)。
この調査によれば、胆石の既往がある人は、既往がない人と比較すると、全体では胆道がんの発症リスクが2.5倍になるとされています。また、胆道がんは、がんのできる場所によって胆のうがんと肝外胆管がんに大別されますが、男性では胆のうがんのリスクが4.8倍、また、女性では肝外胆管がんのリスクが4.4倍という結果になっています(※3)。
胆石から胆道がんが発生するメカニズムはまだわかっていませんが、胆石によって胆のうや胆管の細胞が傷つき、炎症を起こすことが原因であろうと推測されています。
こうしたデータからも、痛みがある場合には細胞が傷ついている可能性があるので、がん化が進む前に早めに受診して胆石の治療をおこなうことが望まれます。

胆石の治療法には、「薬で胆石を溶かす」「内視鏡で胆石を除去する」「手術で胆のうを摘出する」などの方法があります。胆石の場所や大きさ、症状の程度などによって治療法は異なりますが、薬で溶かす方法は治療期間が長く(一般に半年以上)、再発しやすいなどのリスクもあります。医師とよく相談して、適切な方法をとるようにしましょう。
痛みがそれほどない場合でも、胆石があることがわかっていたら定期的に検査を受け、経過を観察することも大切です。

(※2)40~69歳の男女約10万人を対象とした調査(2008年発表)。なお、厚生労働省研究班による多目的コホート研究は、2010年度から国立がん研究センターによって実施されています。
(※3)この調査では、胆石の既往は自己申告のため、自分で気づいていない人が把握されていないケースもあるとしています。

胆石の予防のために

日本人に多いコレステロール胆石は、食事の洋風化が主な原因とされています。脂肪の多い肉類や揚げ物などを続けてたくさん食べることで、胆汁のコレステロール濃度が非常に高くなり、結晶化して胆石ができやすくなるからです。
また、胆のうは食事をすると収縮し、胆汁を外へ押し出します。反対に食事を抜いたりすると、胆のうが収縮しないため胆汁の濃度も高くなり、成分が結晶化しやすくなります。そのため不規則な食事も、胆石を起こす原因の一つになります。
こうしたことから、予防のためにはまず自分の食生活を見直してみることが大切です。

・高カロリー食を続けてとらない…肉類は脂肪分の少ない赤身のものや鶏のササミにする、魚や野菜を多くとる、外食では揚げ物をさけるなど、ちょっとした工夫が予防につながります。
・食事時間を守る…食事と食事の間隔が長くなると、胆汁の濃度が高まります。とくに朝食を抜くと、間隔が長時間になるので注意しましょう。

日常生活でもう一つ大切なことは、運動不足の解消です。
運動をすると、善玉コレステロールが増えて体内の不要なコレステロールの回収が進みます。と同時に胆汁の流れもよくなるので、結晶化を防ぐことができます。
とくに肥満気味の方やデスクワークの方ほど、胆石ができやすいので要注意。ウォーキングや軽めのジョギングなどを週に3回程度はおこなうことを心がけましょう。

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