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2017.12.08

vol.174 冬の魚料理で血管力を高めよう!

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Vol.174 冬の魚料理で血管力を高めよう!

寒さが厳しくなる12月は、血管の病気が気になる季節。心筋梗塞による心停止は秋から増え始め1月がピークになっていることがわかっています(※1)。日頃の健康管理が重要ですが、冬は血管力を高めるチャンスでもあります。血管力を高める成分として知られるDHAやEPAは魚介類に多く含まれ、夏よりも冬に獲れる魚の方が多いとされています。DHAやEPAは、脂肪に含まれる成分のため、脂がのるこの季節の魚に多いのです。例えば、春獲りカツオのDHAは88mgですが、脂がのった秋獲りカツオは970mg(共に生で可食部100gに対する量)と10倍以上差があります。冬は脂がのったおいしい旬の魚を利用して、血管力を高めていきましょう。

血管の病気予防にDHAとEPA

欧米人は日本人に比べて血清コレステロール濃度が高く、心筋梗塞や脳梗塞の発症率が高いことが知られています。欧米人は、血清コレステロールを増やす飽和脂肪酸を多く含む牛や豚など動物性脂肪の摂取が極端に多いことが理由としてあげられています。
一方、魚に含まれるDHAやEPAには、血清中性脂肪の低下作用や虚血性心疾患予防効果が確認されており(※2)、日本人が欧米人に比べて心筋梗塞や脳梗塞が少ないのは、魚を多く食べる習慣があるからでないかと考えられています。
グリーンランドのイヌイット人は魚を常食とするために血管障害が少ないという研究報告は有名ですが、近年、世界中で研究が進みDHAやEPAの健康効果が次々と発表されています。米国のハーバード大学の研究によると、脂肪の多い魚なら週に2皿食べるだけで、死亡率を低下させるという報告もあるようです(※3)
DHAとEPAは、多価不飽和脂肪酸の一種で、健康成分として知られているオメガ3(n-3系)の仲間です。厚生労働省の指導によると、DHAの摂取目安量は1日に30~40代の男性は2.1g、女性は1.6g、50~60代男性は2.4g、女性は2.0gとしています。(※4)

成分を有効利用するには刺身や鍋で食べる

DHAとEPAはマグロ、サンマ、サバ、ブリ、イワシなど青背の魚に多く含まれますが、より有効に摂るには料理方法に工夫が必要です。DHAとEPAは脂の成分のため、天ぷらやアヒージョでは成分が油に溶け出てしまいます。有効に成分を利用するには、脂がそのまま摂れるお刺身やカルパッチョがおすすめです。DHAやEPA摂取を目的とする場合は、赤身よりも脂身を選びましょう。クロマグロ(別名ホンマグロ)の脂身の刺身なら50gで成人女性の目安量に達します。(※2)ただし、脂質の多い魚が良いからと食べ過ぎには注意しましょう。
とはいえ、脂身の刺身を毎日食べるのは、家計へのダメージが大きいもの。そこで、賢く摂るには、寒い冬に嬉しいホカホカの鍋。汁を一緒に摂ることで、成分を有効に利用できます。また、出汁が効いているので薄味でもおいしくいただけます。ブリ鍋、イワシやサンマのツミレ鍋、またアンコウ鍋もおすすめです。アンコウの身にはDHAとEPAはごく少量しか含まれていませんが、アンコウのきもには群を抜いて多く含まれています。

干した魚や加工品は塩分に注意

DHAやEPAが多い魚でも干しものや加工品には注意しましょう。イクラ、スジコ、シメサバにも多く含まれていますが、摂り過ぎは塩分摂取過多になるため気を付けましょう。塩分の過剰摂取は、血圧を高めることが分かっています。せっかく血管の健康のためにDHAとEPAを摂っても、塩分摂取が多いと逆に病気のリスクを高めることになってしまいます。
鍋の味付け場合も同様です。塩、醤油、みそは控え目に、酢やトウガラシなどを利用して味を工夫してみましょう。

※1 国立循環器病研究センター プレスリリース 冬場は心筋梗塞による心停止が増加

※2 「食品成分表2016」女子栄養大学出版部

※3 Mozaffarian, D. et al.: Fish Intake, Contaminants, and Human Health - Evaluating the Risks and the Benefits. JAMA. 296, 1885-1899, 2006

※4 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015 年版)n-3 系脂肪酸の食事摂取基準(g/日)


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