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2006.02.10

vol.32 花粉症...早めの対策で症状をやわらげよう

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こんな症状は花粉症かも?

Vol.32 花粉症...早めの対策で症状をやわらげよう 毎年2月ごろからはスギ花粉、続いて春先からはヒノキの花粉が飛び始めます。すでに花粉症にかかっている人にとっては、とてもつらい季節です。また、今までは花粉症と関係なかった人でも、ある年から急に症状が出ることがあるので、注意が必要です。
花粉症の代表ともいえるのが、スギ花粉によるものです。これにヒノキやブタクサ、カモガヤなどの花粉によるものを加えると、日本人の4人に1人が花粉症にかかっているといえます。年齢別にみると、花粉症にかかりやすい世代は10~50歳代と幅が広く、だれでもがかかる可能性のある病気です(※1)。 花粉症の3大症状は、「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」です。でもこれらの症状だけでは、ほこりや寒さなどによる軽い鼻炎と区別がつきません。風邪とも間違えやすく、風邪薬を使って我慢していて、症状を悪化させてしまうこともあります。
では、花粉症だと知るには、どうしたらいいのでしょうか。わかりやすいポイントは、くしゃみの回数と目の症状です。
1風邪のくしゃみは、一度に3~4回程度。ところが花粉症になるとなかなか止まらず、7~10回程度は続きます。しかも1日に数回、そうした発作のような連続したくしゃみがみられます。
2.もうひとつの特徴的な症状は、目のかゆみです。目がかゆくなり、充血したり、涙が出てきたりもします。このときに目をこすると、傷つけることが多いので注意しましょう。
こうした症状が1週間以上も続く場合は、花粉症を疑って早めに受診し、適切な治療を受けることが大切です。放置していると症状がひどくなり、つらい思いをすることになりかねません。

(※1)厚生労働省による全国調査(平成10年度)では、スギ花粉症の有病率は平均16.2%、それ以外の花粉症では平均10.9%。また、ハウスダストなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎は平均18.7%となっています。ただし、花粉症にはスギやヒノキなど複数の原因物質をもつ人がいます。また、通年性アレルギー性鼻炎を併発している人もいます。

花粉症はなぜ起こる

花粉症とは、どのような病気なのでしょうか。正式には「アレルギー性鼻炎」のひとつで、花粉がアレルギーの原因物質(アレルゲン)となるものをいいます(※2)。
ではなぜ花粉が原因で、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどを起こすのでしょうか。
1.花粉が鼻やのどに入ると、白血球(とくにリンパ球)がそれを異物と判断します。
2.花粉を排除するために、リンパ球は肥満細胞などの表面に抗体(IgE抗体)をつくります。
3.再び花粉が入ってくると、抗体が反応し、肥満細胞などからヒスタミンなどの化学物質が分泌されます。
4.このヒスタミンなどの働きで、くしゃみや鼻水が生じ、花粉を外に追い出そうとします。また鼻づまりを起こし、花粉が中に入らないようにもします。
つまり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりは、いずれも花粉を撃退するためのからだの反応なのです。しかし、このメカニズムからもわかるように、鼻やのどに入る花粉が多いほど、くしゃみや鼻水なども多くなり、それだけつらい症状になってしまいます。
そのため花粉症の予防、あるいは症状を軽くする基本は、体内に入る花粉をいかに減らすかにあるのです。

(※2)アレルギー性鼻炎には大別すると、花粉が原因となるもの(花粉症)と、ダニ・カビ・ハウスダストなどが原因となるものとがあります。

自分でできるケア(外出時)

体内に入る花粉を減らすために、自分でできる工夫があります。すでに花粉症になっている人はもちろん、春先になると鼻がムズムズしたり、鼻水がよく出るといった予備軍の人も、次のようなケアを心がけましょう。とくに花粉との接触が多くなる外出時には、注意が必要です。

1.花粉情報に気を付け、多い日はできるだけ外出を控える
テレビなどの花粉情報を見て、花粉が多く飛ぶ日はできるだけ外出は控えましょう。日本気象協会などによれば、花粉が飛びやすいのは「晴れ、または曇りの日」「気温が高く、湿度が低い日」などで、とくに「前日まで雨で、その後天気が回復し、南風が吹いて気温が高くなる日」は注意が必要です。

2.外出時はマスクをし、帰宅後は洗顔とうがいを
花粉が飛ぶ季節には、外出時は必ず花粉症用のマスクをすること。
また帰宅したら顔を洗い、うがいや鼻洗いでのどや鼻に付いた花粉もしっかり洗い流します。スチーム吸入によって、荒れたのどや鼻の粘膜をケアするのも、症状の緩和や予防に効果的です。

3.服装にも気を付けて
外出時のコートや上着には、花粉が付きにくい素材を選びます。ウールや綿などよりも、ポリエステル製などで表面がツルツルした素材と加工のほうが花粉は付きにくくなります。
帽子やメガネ(ゴーグル)を着用すると、より花粉の影響を防ぐことができます。
また、玄関先にブラシを用意しておき、家に入る前に洋服全体をブラッシングして花粉を落とし、室内に持ち込まないようにすることも大切です。

自分でできるケア(日常生活)

日常生活でも、できるだけ花粉の影響を少なくするため、次のことを心がけましょう。

1.掃除をこまめにする
花粉は室内にも入り込んでいます。カーペット、畳、カーテン、ソファなどに付着した花粉を取り除くには、こまめに掃除することがいちばんです。掃除のときには、舞い上がる花粉やほこりなどの影響を防ぐためマスクをしましょう。

2.洗濯物はよくはたいて取り込む
洗濯物に花粉が付いていると、身に付けるものだけに悪影響が出かねません。洗濯物を取り込むときには、よくはたくようにしましょう。干した布団などを取り込むときも同様です。

3.窓の開閉は慎重に
換気のためには窓開けが大切ですが、花粉が多く飛ぶ日と飛ぶ時間(日中が多い)には、閉め切るようにしましょう。

4.ストレスをためない
ストレスがたまってイライラすると、アレルギー症状は悪化しがちです。花粉症そのものが大きなストレスなのですから、できるだけ気分転換をして、ストレス解消を図りましょう。

5.たばこやアルコールを控える
たばこはのどや鼻の粘膜を荒らし、症状を悪化させる原因となります。また、アルコールは鼻粘膜を充血させ、鼻づまりをひどくする一因になります。花粉症のときには、どちらも控えめに。

ミニコラム

食べ物や飲み物にも、花粉症の症状をやわらげるものがあります。例えばシソや甜茶(てんちゃ)、緑茶、緑黄色野菜などです。アレルギー症状を抑えたり、くしゃみなどの原因となるヒスタミンを分解する成分が含まれています。こうした飲食物で、日ごろからアレルギーに強い体質をつくることも大切です。ただし、飲食物だけで治すことはできないので、きちんと治療を受けましょう。

花粉症になってしまったら

花粉症の治療は、薬によって症状を抑える方法が基本となります。病院では、「重症かどうか、ほかのアレルギー疾患を併発していないか」などについて検査した上で、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬などを使った治療が行われます(※3)。
治療法には大きく分けると、予防的療法(初期療法)、導入療法、維持療法の3つがあります(※4)。

◎予防的療法…症状が出る前から行う予防的な治療。
◎導入療法…症状が出てからやわらげるための治療。
◎維持療法…よくなった症状を維持するための治療。

このうち、一般の人がまず知っておきたいのは予防的療法です。この治療法は、花粉が飛び始める少し前(2週間前)から、アレルギーを抑える薬を使って予防する方法です(※5)。予防的療法を行うと、症状が出るのを遅らせたり、症状を軽くするなどの効果がみられます。
ただし、この治療を行うには、花粉が飛び始める前から病院を受診し、飛散が終わる時期まで継続して治療を続ける必要があります。毎年、花粉症でつらい症状に悩まされている人は、早めに受診して医師に相談してください。

(※3)糖尿病や胃潰瘍などの病気がある人は、経口ステロイド薬を使えないことがあります。受診のときには必ず医師に、ほかの病気の有無についても伝えるようにしてください。

(※4)厚生労働省アレルギー性鼻炎ガイドライン班が作成した『鼻アレルギー診療ガイドライン(2002)』によります。

(※5)予防的療法には、患者の症状などによって第2世代抗ヒスタミン薬や、ケミカルメディエーター遊離抑制薬などが使用されます。

その他の治療法あれこれ

スギ花粉が原因となる花粉症には、減感作療法(特異的免疫療法)という治療法もあります。スギ花粉を薄めたものを皮下注射し、免疫をつくることでアレルギーを抑える方法です。
人によっては大変効果がみられ、根本的治療法ともいわれます。その一方で、皮下注射を定期的に1~2年続ける必要があること、スギ以外の花粉にもアレルギーがある人には効果がないこと、さらに人によってショック症状を起こすことがある…などのリスクもあります。そのため減感作療法を行っていない病院もあるので、希望する場合は医師に相談し、細かいリスクなどをよく聞くようにしてください。
また、ステロイド薬をあまり使いたくない人、あるいはほかの病気との関係で使えない人には、漢方薬によって体質改善をする治療法(代替療法)も行われています。
ただし漢方薬は、その人の体質や持病などを検討し、薬の種類を決めていく必要があるため、必ず専門医のいる病院で相談してください。インターネットなどで個人輸入したものを自己流で使ったりすると、かえって症状を悪化させる危険性があるので絶対にやめましょう。

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