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2007.08.10

vol.50 不整脈...どんなとき注意が必要か

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不整脈はなぜ起こる

Vol.50 不整脈...どんなとき注意が必要か 夏から秋にかけては疲れやストレスがたまり、体調をくずしやすい季節です。そんなときに注意したいのが、不整脈です。
不整脈がみつかると、ほとんどの人は「心臓の病気」を心配します。脈(脈拍)というのは、心臓が血液を送り出すリズムなので、それが乱れるのは心臓や冠動脈に問題があるから…と思うのは当然かもしれません。
でも、不整脈の原因は心臓疾患だけではありません。高血圧や肺に疾患のある人、甲状腺異常のある人なども、不整脈が出やすい傾向がみられます(※1)。
また病気とは関係なく、加齢や体質、疲労やストレスの蓄積、睡眠不足などが原因になることもあります。
そもそも不整脈は、なぜ起こるのでしょうか。私たちの心臓の筋肉は、電気信号によって規則正しく収縮と弛緩を繰り返し、血液を送り出しています。そのとき何らかの理由で、電気信号に乱れが生じると、心臓の拍動のリズムが一時的に不規則になります。それが脈の乱れ=不整脈となってあらわれるのです(※2)。
健康診断などで不整脈がみつかった場合、「たいしたことはない」と自己判断するのも問題ですが、心配のしすぎもストレスとなり、症状を繰り返すことになりかねません。不整脈にはあまり心配ないものと、早く受診すべきものがあることを知り、適切な対処をすることが大切です。

(※1)国立循環器病センターの資料による。

(※2)電気信号は心臓の洞結節という部分で発生し、心臓の筋肉全体に伝えられています。何らかの理由で洞結節での電気信号の発生や、筋肉への伝達が規則正しく行われないと、不整脈が起こります。

不整脈には3種類ある

あなたの不整脈は、どんな感じのものでしょうか。
不整脈には、脈が速くなる、遅くなる、ときどき飛ぶ…など、大別すると次の3種類があります。

1. 頻脈(ひんみゃく)

通常より脈がかなり速くなるタイプです。運動や緊張によっても脈は速くなりますが、それは頻脈とはいいません。急に脈が1分間に140回以上にもなる場合には、危険な状態といえます。

2. 徐脈(じょみゃく)

通常より脈がかなり遅くなるタイプです。1分間に40回程度まで低下した場合は、危険な状態といえます。

3. 期外収縮(きがいしゅうしゅく)

脈が一瞬飛んだり、リズムが乱れて、不規則なうち方をするタイプです。

通常、成人の脈拍数は1分間に60~100回程度で、一定間隔の規則正しいリズムを刻んでいます。脈拍数にはかなり個人差があるので、ふだんの自分の脈拍数(安静時)を測定し、その数値を知っておくといいでしょう。

注意したい不整脈の症状

健康診断などで不整脈がみつかっても、不整脈のほかに何もなければ、あまり心配ないとされています。しかし、次のような症状を伴う場合は注意が必要です。

頻脈の場合

脈拍数の増加に伴って、ドキドキという動悸が起こります。すぐに治まる場合は別ですが、さらに動悸が激しくなると、めまい、冷や汗、吐き気などを伴い、ときには意識を失うこともあります。こうしたケースでは、心室細動や心房細動の可能性もあるので、早めに受診し、検査を受ける必要があります(※3)。

徐脈の場合

脈が遅くなると、からだを動かすのがつらくなり、動くと激しい息切れを起こします。症状が治まらないときには心不全を起こしている可能性もあるので、すぐに受診する必要があります。

期外収縮の場合

あまり目立った症状はありませんが、人によっては胸がなんとなく不快になったり、胸痛を感じることもあります。胸痛がなかなか治まらない場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性もあります。脈のリズムがバラバラになる場合には、心房細動などの可能性もあります。

一般的に、不整脈に伴って強いめまいや息切れ、長く続く胸痛、意識障害などがみられた場合には、心臓疾患など重大な病気を疑って、きちんと受診したほうがいいといえます。

(※3)心室細動は心臓の心室部で電気信号の乱れを生じ、心室が細かく震えて血液がうまく送り出せない状態のことで、心停止による突然死の原因となります。心房細動は心房部で電気信号が混乱し、脈拍のリズムの乱れなどを生じます。血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。

不整脈は体調を知るシグナル

不整脈のなかには、原因がよくわからないものも少なくありません。とくに中高年になると、加齢に伴う不整脈が増え、病院で検査をしても、原因を特定しにくいケースが多くみられます。
こうした原因不明の不整脈には、実はストレスが誘因になっているケースがよくあります。
なぜストレスによって、不整脈が起こるのでしょうか。
心臓のリズムをコントロールしているのは交感神経です(※4)。例えば緊張したり興奮したりすると、脈が速くなります。それは交感神経が心臓の拍動を速め、血液を大量に送り出すためです。
ところが自律神経の一つである交感神経は、ストレスの影響を受けやすい面があります。適度のストレスは交感神経を刺激し、「やる気」を起こします。でも強いストレスがかかったり、長期間にわたるストレスがあると、交感神経がうまく働かなくなり、心臓のリズムに乱れが生じやすくなるのです。 こうした不整脈の多くは、心臓病などの重大な病気とは関係ないので、あまり心配はいらないとされています。しかし、ストレスによる交感神経の緊張状態が続くと、免疫力が低下し、体調をくずしやすくなります(※5)。
不整脈を誘発するストレスは、精神的なものに限りません。忙しさによる疲労や睡眠不足、食生活の乱れなども、からだには大きなストレスとなります。 もし軽い不整脈を繰り返すような場合には、からだがストレスを感じてシグナル(注意信号)を発している可能性があります。次のような点に注意し、生活全般を見直すいい機会にしましょう。

  • 休みをきちんととっているか
  • 睡眠不足になっていないか
  • 食事は規則正しく、バランスのよいものをとっているか

(※4)慶應義塾大学の心臓再生医学グループの最新研究から、交感神経は心室の内側よりも外側に多く分布し、この分布の偏りによって心臓の筋肉がコントロールされ、突然死につながる不整脈を防ぐシステムをつくっていることが判明しています。このことからも、交感神経が不整脈に大きな影響をもっていることがわかります。

(※5)自律神経には、交感神経(やる気モード)と副交感神経(リラックスモード)があります。ストレスを受けると交感神経が積極的に働きますが、同時に血圧も上昇させるため、高血圧気味の人にとってもストレスの解消が大切になります。


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