検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。あわせて高血圧に関しても注意をうながされましたが、関係があるのでしょうか?

高血圧 病名・疾患解説
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。あわせて高血圧に関しても注意をうながされましたが、関係があるのでしょうか?
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧の原因になります。
睡眠時無呼吸候群(SAS)は、寝ている間に気道が閉じることにより、一時的に呼吸が止まる病気です。いびきが異常に大きかったり、睡眠中にいびきが止まったりすることがある、日中に強い眠気を感じるといった症状が認められる場合などに、罹患が考えられます。診断の過程で説明を受けられたかと思いますが、SASは生活習慣病と密接に関連しており、狭心症や心筋梗塞、脳血管障害や糖尿病などの合併も多く認められます。

SASと高血圧に関しては、これまでも海外の疫学調査から、SAS患者は高血圧の発症が通常の1.4倍から2.9倍になることがわかっていました。
また、近年日本で行われた自治医科大学とオムロン ヘルスケアの研究から、SASが伴うと夜の血圧が200mmHg以上に上がるという危険な高血圧が存在することも明らかになっています。

SASが高血圧をもたらす原因としては、低酸素や息苦しくて目覚めるたびに交感神経がたかぶること、喉がふさがれることにより血圧が上昇することなどが考えられており、さらにはSAS患者の場合は「治療抵抗性高血圧」といって一般的な降圧薬が効きにくいこともわかっています。そのため、まずSASの治療を行うことが重要です。 夜間血圧の平均値だけではなく、睡眠時無呼吸発生時の血圧上昇も管理することが必要になりますので、しっかりと治療に取り組んでください。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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