vol.155 寝る直前までスマートフォンが手放せません。睡眠不足につながるといわれましたが、本当でしょうか?

生活習慣病Q&A
寝る直前までスマートフォンが手放せません。睡眠不足につながるといわれましたが、本当でしょうか?
はい。寝る直前のスマートフォンの使用は、睡眠不足につながります。睡眠不足は肥満や高血圧などの原因にもなりますので、なにか手放す作戦を考えてみては?
寝る直前までスマートフォンが手放せない「寝る前スマホ」をしている人が増えてきました。米国の小学生と中学生を対象に行われた調査では、寝室にスマホを置いて寝る子どもの方が睡眠時間が約20分短く、睡眠不足を感じている割合が高いことがわかっています。日本の調査でも、床についた後に、携帯電話を会話やメールのために使用する頻度が多い人ほど、睡眠の問題を抱えていることがわかっています。「寝る前スマホ」は睡眠不足につながるようです。
「寝る前スマホ」が睡眠不足につながる理由は、いくつか考えられています。スマホを真剣にいじって脳が興奮し、なかなか寝付けないことがあります。中には、友だちからの連絡がいつ来るのかと思って待っていてしまう人もいるかもしれませんし、着信音で目が覚めることもあります。また、自然な睡眠を誘う「メラトニン」というホルモンがありますが、スマホなどの光を夜に浴びると、このメラトニンの分泌量が抑制され、寝つきが悪くなってしまいます。

睡眠不足は肥満となりやすいホルモン環境を作り、高血圧や2型糖尿病になるリスクを高めます。逆に、睡眠不足を解消することで体重管理が容易になります。ぐっすりと眠るためには、睡眠前の準備が大切です。これを「睡眠衛生」と言います。厚生労働省からは「健康づくりのための睡眠指針2014」が出ていますので、参考にしていただければと思います。中には、片時もスマホを手放せない「スマホ依存」の人もいます。スマホ依存になっていないかチェックしてもいいかもしれません。スマホは便利な器械ですが、睡眠の質を悪くしないように上手に使いたいものですね。

先生のプロフィール

坂根 直樹先生

坂根 直樹 先生

独立行政法人国立病院機構京都医療センター
臨床研究センター 予防医学研究室室長
略歴
昭和64年 自治医科大学医学部卒業
昭和64年 京都府立医科大学附属病院(第1内科)研修医
平成3年 大江町国保大江病院内科
平成5年 弥栄町国保病院内科
平成6年 京都府保健福祉部医療・国保課
平成7年 綾部市立病院(内分泌科)
平成10年 大宮町国保直営大宮診療所
平成11年 京都府立医科大学附属病院修練医(第1内科)
平成13年 神戸大学大学院医学系研究科分子疫学分野(旧衛生学)助手
平成15年 独立行政法人国立病院機構京都医療センター(旧国立京都病院)
臨床研究センター 予防医学研究室室長
ご専門
糖尿病、糖尿病教育、内分泌

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