OMRON All for Healthcare

vol.166

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Q質問

地震などの災害に被災すると、血圧値は上昇するのでしょうか?

A回答

災害時の環境の変化やストレスなどによって、血圧は上昇します。
病院の診察室での緊張から血圧が上昇する「白衣高血圧」がよく知られているように、血圧は環境の変化やストレス、また寝不足などによっても変動します。
災害時に生じる高血圧(≧140/90mmHg)は「災害高血圧」と呼ばれ、東日本大震災前後で血圧を比較した報告では、収縮期血圧(最高血圧)が平均で約12mmHg上昇し、脈拍も1分あたり約5回の増加が認められています※。

災害時には、様々な理由により心不全や急性冠症候群などの循環器疾患が起こります。災害高血圧はそれらの発症リスクとなることから、降圧療法の対象です。『災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン』にも、「災害後の循環器疾患の抑制の第一歩は血圧測定である」、「災害高血圧の検出とともに、災害ストレスが個人に及ぼす精神的ならびに身体的影響を血圧で知る」と、災害時の血圧測定の重要性について記されています。
災害時には、不眠やストレスで塩分の影響を受けやすくなります。その上、平常時とは異なる食生活で塩分摂取量が増えることがあるため、それによっても高血圧症が増加します。従って、まず減塩に留意し、続いて薬物療法を行います。災害高血圧の降圧目標値は、収縮期血圧(最高血圧)140mmHg未満が望ましいとされており、平常時よりも厳密な血圧管理が必要です。
また、本来の身体のリズムを取り戻すには、横になったままや座ったままではなく、ウォーキングなどで脚の筋肉を動かすことも大事です。血流が改善し、血栓もできにくくなります。

災害時は様々な面でストレスフルになると考えられますが、こまめに健康状態を確認するとともに、環境が落ち着き次第、身体を動かし、塩分の摂取を控え、水分と睡眠を十分にとることで、健康の維持につとめましょう。


※Satoh M, Kikuya M, Ohkubo T, et al. Acute and subacute effects of the great East Japan earthquake on home blood pressure values. Hypertension 2011; 58: e193–e194.

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