vol.174 将来、寝たきりや要介護にならない生活を送るには、どういったことに気を付ければいいでしょうか。

生活習慣病Q&A
将来、寝たきりや要介護にならない生活を送るには、どういったことに気を付ければいいでしょうか。
寝たきりや要介護の原因で最も多いのは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)です。その予防のため、日頃から正しい生活習慣を身に付けるようにしましょう。
厚生労働省が平成25年に実施した国民生活基礎調査によると、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合は、 脳血管疾患(脳卒中)が平均で18.5%と他の項目に比べてもっとも高く、特に介護度5(もっとも要介護度が高い)では34.5%を占めています。この結果から、脳血管疾患(脳卒中)を予防することが要介護・寝たきりにならないために重要であることがわかります(その他の要介護の原因には、認知症、高齢による衰弱、骨折・転倒などがあります)。

脳卒中とは、脳梗塞と脳出血などをまとめて指すことばです。 脳梗塞では、脳の中の血管が何らかの原因で詰まってしまい、その先に酸素と栄養を含んだ血液が行き届かないため、脳細胞が死んでしまいます。また、脳出血では、脳の中の血管(動脈)が破れて出血し、脳の神経細胞が死んでしまいます。どちらも脳に障害が起こり、体の麻痺などの後遺症を残すことが多く、介護が必要になったり寝たきりの原因になったりします。
脳卒中の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化の要因には、高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病・喫煙などがあり、正しい生活習慣を身に付けることで、動脈硬化の進展を予防することができます。 寝たきりや要介護の原因である脳卒中を予防するために、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

また、骨折・転倒も寝たきりの原因として挙げられています。高齢者では骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などで骨がもろくなり、軽い転倒でも骨折する危険性が高くなっています。気になる方は、一度医師に相談してみてください。

<参考>
厚生労働省調査 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h25.pdf
千葉脳神経外科病院 http://www.chiba-nougeka.or.jp/brain/

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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