30代の男性です。最近、仕事をしていると頭に血がのぼったような感覚がします。気になったので病院で血圧を測ったのですが、それほど高くありませんでした。特に問題はないのでしょうか?

高血圧 自覚症状・予兆
30代の男性です。最近、仕事をしていると頭に血がのぼったような感覚がします。気になったので病院で血圧を測ったのですが、それほど高くありませんでした。特に問題はないのでしょうか?
病院で測った血圧より家庭で測った血圧の方が高いことがあります。念のため家庭や職場で血圧を測ってみることをおすすめします。
日常生活でのストレスや喫煙で上昇した血圧が、診察室でリラックスすることによって一時的に下がることがあります。このように、病院で測った血圧が正常でも、病院外で測った血圧が高いことを「仮面高血圧」といいます。高血圧治療は、もともと病院で測る「外来血圧」を基準として診断されてきました。しかし、24時間血圧計や家庭血圧計による測定から、病院で測った血圧と家庭で測った血圧が異なる場合があることが分かり、「仮面高血圧」や「白衣性高血圧(日常生活では正常なのに診察室で緊張し血圧が高くなってしまう)」の存在が知られるようになりました。2004年12月に発行された「高血圧治療ガイドライン2004」では、外来血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上を高血圧としています。
仕事が忙しくストレスの多い人やヘビースモーカーの人は特に「仮面高血圧」に注意が必要です。また、すでに高血圧の治療を受けていて一見、血圧のコントロールが上手くいっている人でも、夜間の高血圧によって気づかないうちに心肥大や腎障害などの臓器障害が進行しているケースがあります。
「仮面高血圧」は、脳卒中や心筋梗塞を起こす確率が高いことが知られています。そのようになってからでは遅いので、病院で測った血圧が正常でも、家庭でも測ってみるのがよいでしょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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