定期健康診断などで行われる心電図検査から、どのような病気あるいはその兆候が分かるのでしょうか?

不整脈・心房細動 セルフチェック(正しい測り方・健康診断)
定期健康診断などで行われる心電図検査から、どのような病気あるいはその兆候が分かるのでしょうか?
心電図検査で分かる病気には、不整脈、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、心肥大などがあります。定期健康診断などで測定する安静時の心電図は、心電図検査の中でもっとも基本的なものです。安静時の測定だけでは分からない場合もあるので、他にも様々な心電図検査があります。
心電図とは、心臓の筋肉の収縮に伴って発生する微量の電流を波形としてグラフにあらわしたものです。この波形の乱れから病気の兆候などを読み取ります。しかし、健康診断などで行う安静時の心電図測定によってすべての心臓の病気が見つかるとは限りません。心臓の病気はいつ起こるかわからず、また安静にしていたのでは症状が現われないことがあります。そういった安静時に見つかりにくい異常を見つけるために、心電図検査には他にも様々な方法があります。二段の階段を一定時間昇り降りしたあとに心電図を測る「マスター二段階テスト」やベルトの上を歩きながら心電図を測定する「トレッドミル検査」、固定した自転車のペダルを踏んでおもに下肢に負荷をかける「エルゴメーター検査」などです。これらは運動によって心臓に負荷をかけ、安静時では見つけにくい心臓の異常を見つける方法です。また、検査方法だけでなく機器にも様々な種類があります。24時間体に電極を付着させ、連続的に心電図を測ることができる「ホルター心電計」や、持ち歩きができ症状のあったときに自身で心電図を計測できる携帯型の心電計などがあります。こういった機器の登場によって、心臓に異常が出たときの心電図を日常の様々な場面で測定できるようになりました。
以上のように、心電図には様々な測定方法があり、健康診断での安静時の心電図測定は「基本」です。健康診断で問題なくても日常で異常を感じたら必ず医師に相談しましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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