vol.42 糖尿病には自覚症状がないというのは本当でしょうか。なってからでは遅いので自分でもチェックできるポイントがあれば教えてください。

生活習慣病Q&A
糖尿病には自覚症状がないというのは本当でしょうか。なってからでは遅いので自分でもチェックできるポイントがあれば教えてください。
糖尿病は多くの場合、自覚症状がないまま進行します。ですから早期発見のためには、定期的に健康診断などを受けるようにしましょう。
糖尿病の自覚症状には、「異常な程のどが渇く」、「頻尿」、「体がだるい、疲れやすい」、「いくら食べても体重が増えない」などがありますが、こういった自覚症状は、実はかなり重症になるまで感じません。職場や自治体などで行われる健康診断で、偶然見つかる場合がほとんどです。中には視覚障害や神経障害を起こし、病院を受診してはじめて「糖尿病が原因だった」ことがわかるようなケースもあります。糖尿病は、このように目立った症状が起こりにくいにも関わらず、深刻な症状が進行するため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

したがって糖尿病予防において重要なことは、まず正しい生活習慣を送るとともに、定期的に健康診断などのキチンとした検査を受けることです。糖尿病の検査は、「平常時」、「朝の空腹時」、「ブドウ糖を飲んだ後」、それぞれの血糖値を測って行われ、このいずれかで正常ではない値が計測された場合、糖尿病と判断します。その後、合併症の有無などを総合的に判断して、治療方針が決められます。

最近では、自宅で簡単に行える郵便検診でも、血糖値を測ることが可能です。定期的な検診が受けられないようであれば、こういった簡易なものを利用し、結果に応じて病院で詳しく検査してもらうのもよいでしょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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