以前、不整脈を指摘されました。不整脈があると、脳梗塞になりやすいというのは本当でしょうか?

不整脈・心房細動 病名・疾患解説
以前、不整脈を指摘されました。不整脈があると、脳梗塞になりやすいというのは本当でしょうか?
一言で不整脈といっても、さまざまな種類がありますが、心房細動の場合は、脳梗塞が起こる確率が高くなります。
心臓は、上下左右で4つの部屋に分かれており、上部にある部屋を心房といいます。心房細動は、その心房が1分間に300~500回も震えて心臓が正常に収縮しない病気です。このため心臓から血液を十分に送り出すことができなくなり、心房内に血液がよどんで固まりやすくなってしまいます。この血のかたまり(血栓)が、脳へ流れて脳の血管が詰まってしまうと、脳梗塞が起きるのです。
心房細動が原因で起こる脳梗塞は、脳梗塞全体の20%程度で、その多くは60~70代のお年寄りです。心房細動がある場合に脳梗塞が起こる危険性は、心房細動がない場合に比べて6倍になります。このため、心房細動の治療とともに、血が固まりにくくなる薬で梗塞を防ぐ処置がとられます。
脳の小さな血管が詰まる梗塞の場合、症状がないこともありますが、何度も起こった結果大きな障害が残ることがあるので、注意が必要です。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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