vol.74 高LDLコレステロール血症なので、動物性脂肪を控えるように指導されました。どちらかというと肉より魚が好きですが、魚の脂も体に悪いのでしょうか?

生活習慣病Q&A
高LDLコレステロール血症なので、動物性脂肪を控えるように指導されました。どちらかというと肉より魚が好きですが、魚の脂も体に悪いのでしょうか?
高LDLコレステロール患者さんが控えた方がよい動物性脂肪とは肉の脂を指し、魚の脂は含まれません。魚の脂は積極的に摂取しても大丈夫ですが、適切な摂取量を守りましょう。
動物性脂肪には、肉の脂と魚の脂があります。肉の脂には、血中コレステロールを増やす働きをもつ飽和脂肪酸が含まれ、一方、魚の脂には血中コレステロールを減らす働きをもつ不飽和脂肪酸が含まれています。さらに、魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸にはEPA(エイコサペンタエン酸)という成分があり、この成分が血中コレステロールを下げ、結果的に心臓病のリスクを下げることが確認されています。不飽和脂肪酸は、植物性脂肪にも多く含まれていますが、EPAは魚の脂に特徴的な成分です。しかし、魚の脂も取り過ぎると血液が固まりにくく、出血すると止まりにくいなどの作用があるので、適切な摂取量を守りましょう。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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