vol.78 子どものメタボリックシンドロームもあると聞きました。大人の診断基準と同じですか?

生活習慣病Q&A
子どものメタボリックシンドロームもあると聞きました。大人の診断基準と同じですか?
子どものメタボリックシンドローム(小児メタボ)の診断基準項目は大人と同じ、腹囲、脂質、血圧、空腹時血糖ですが、各項目の基準値は子どもの体格等を考慮した値に設定されています。
厚生労働省の研究班が作成した小児メタボの診断基準で最も重視されるのは、1.腹囲です。「小学生75cm/中学生80cm以上」という具体的な数値に加え、「腹囲÷身長=0.5以上」という基準が設けられています。このどちらかに該当し、さらに 2.脂質、3.血圧、4.空腹時血糖のうち2つ以上当てはまる場合、小児メタボと診断されます(下記参照)。

〈小児メタボの診断基準(6~15歳)〉

1.腹囲 小学生75cm/中学生80cm以上 または 腹囲÷身長=0.5以上
2.脂質 中性脂肪120mg/dL以上 または HDLコレステロール40mg/dL未満
3.血圧 収縮期125mmHg以上 または 拡張期70mmHg以上
4.空腹時血糖 100mg/dL以上

小児メタボと診断された場合は、適度な運動に加え、スナック菓子やファストフードを控えるなど、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。子どもは成長過程にあるので、無理な食事制限をしてはいけません。小児メタボの多くは、大人になってもメタボ状態が続くといわれています。将来のためにも、子どもの頃から正しい生活習慣を身に付けることが大切です。

先生のプロフィール

山田 信博先生

山田 信博 先生

筑波大学学長
略歴
昭和51年 東京大学医学部医学科卒業
昭和53年 東京大学医学部附属病院 第三内科医員
昭和58年 カルフォルニア大学サンフランシスコ校留学
昭和61年 東京大学医学部第三内科助手
平成6年 東京大学医学部第三内科講師
平成7年 東京大学医学部第三内科助教授
平成10年 東京大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科助教授
平成11年 筑波大学臨床医学系内科(内分泌代謝)教授
平成21年 筑波大学学長
ご専門
糖尿病、内分泌、動脈硬化

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