vol.93 夫がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断されました。あまり聞きなれない病気なのですが、生活習慣病の一種だということで、禁煙するよう言われたそうです。禁煙で治る病気なのでしょうか?

生活習慣病Q&A
夫がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断されました。あまり聞きなれない病気なのですが、生活習慣病の一種だということで、禁煙するよう言われたそうです。禁煙で治る病気なのでしょうか?
COPDは喫煙を主な原因とする肺の病気で、いったん発症すると進行が不可逆な(元の状態に戻らない)病気です。しかし、禁煙することで進行を食い止めたり症状を和らげたりすることが可能です。
COPDとは、慢性の咳と痰、持続性の呼吸困難を主な症状とする病気です。発症原因の95%は喫煙で、たばこで肺の細胞が壊されることにより、悪化が進行します。このため、治療の第一歩は禁煙です。
根治(完全に健康な状態に回復すること)は困難ですが、適切な治療と禁煙で進行を食い止め、症状を楽にすることができます。
また、ご自分でできる対策として、栄養管理も重要です。これは呼吸不全により健康な人に比べてエネルギー消費量が増加するためです。①十分なエネルギー量を摂取する、②食事回数を多くする、③消化管内でガスを発生するような食品(いも類・豆類など)を避ける、④たんぱく質(牛乳・鶏卵・鶏肉・牛肉・魚など)を多く摂る、などのポイントがありますので、医師や管理栄養士による栄養指導に基づき、ご家庭でも工夫してみましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

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