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vol.166 増え始めている「女性外来」女性医師が活躍中!

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Vol.166 増え始めている「女性外来」女性医師が活躍中!

国立がん研究センターのがん統計によると、2014年にがんで死亡した人は、36万8103人。部位別では、女性で最も死亡数が多いのは大腸がんで2万2308人。がん死亡数予測も2015年は2万3400人、2016年は2万4000人と年々増加することが予測されています。
大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば治る可能性が高いといわれています。しかし、早期発見が遅れてしまうのは、肛門周囲の疾患に対する羞恥心が壁になって、受診や検査をためらうことに一因があると指摘されています。女性の場合は、医師が男性であることも受診を妨げる要因になっています。一般女性のこうした気持ちに配慮し、体の悩みをなんとか診療につなげようと肛門クリニックや女性外来を開設して、活躍する女性医師が増え始めています。

意外に知らないお尻の悩み「スキンタグ」

お尻のトラブルというと、真っ先に痔と思い込みがちですが、「スキンタグ」ということもあると話すのは、久我山クリニックの副院長で外科の専門医である須田淳子さん。毎週木曜日に女性専門外来の時間を設けており、10代から90代まで幅広い年齢の女性を診療しています。スキンタグとは、肛門の皮膚がたるんだ状態。痔ではなく、痛みもないですが、「違和感がある」「お尻からなにか出ている」といって受診する女性が多いと話します。「これは加齢によっても起こります。日常生活にはあまり支障がないですが、入浴中に触れたりするとすごく気になるようです。スキンタグは肛門周囲の炎症によって皮膚に厚みが増すと、肛門から出てくる頻度が高くなるため、炎症を繰り返さないようにします。また、どうしても気になるときは、たるんだ皮膚を手術で切除する治療も選択できます」と須田副院長。

痔は悩むより早めの治療が肝心

女性の痔は、出産後や便秘がひどい場合、下痢でもなります。また、便秘がなくてもなる人がいます。「お尻が腫れて痛い」「できものがある」「出血している」という悩みが多いと言います。痔には、痔核(いぼ痔)、痔瘻(穴痔)、裂肛(切れ痔)があり、診断された場合は、軟膏、内服薬、注射療法、切除手術といった治療法があります。肛門の外側に大きくなった外痔核は、切除手術が必要ですが、肛門の中にできた内痔核は、注射療法が主流になっています。この注射療法はジオン注射と呼ばれ、痔核への血流を遮断し、固めるようにして痔核を縮小させる効果があり、日帰りでできます。「また、痔の治療は、塗り薬や飲み薬、漢方薬でも効果があるため、根治までしなくても、違和感が出たら早めに薬で治すという女性もいます。痔は早く治療すると悪化させずに治ります。なにか違和感があったら受診した方がいいと思います」(須田副院長)。

乳がんの治療まで行う女性外来

また、女性にとっては乳房も相談しにくい部位の一つですが、女性専門外来では、乳房の悩みにも対応し、診察と検査、乳がんの治療までを行っています。最近は、乳がんを心配して受診する女性が急増しています。「区の検診まで待てないという人や、若い女性、授乳中の方もいます。検査は、マンモグラフィーと超音波検査の両方を行っています。授乳中や妊娠中の乳がんもゼロではありません。とくに妊娠中に見つかった場合は、おなかの胎児にも関わるので産科と乳腺科のある病院を紹介しています」。
人には打ち明けにくい体の悩みも、相談しやすい医師や外来があると不安などの心の負担がぐっと軽減します。いざというとき、頼りになるかかりつけ医を見つけたいものです。

繰り返す出血には注意しよう

新生活が始まる4月は、健康診断の時期です。大腸がんの検診では、一般的に便潜血検査が行われますが、ある程度がんが進行しないと便潜血が現れないため、問題点が指摘されています。また、肛門からの出血は痔だから、大腸がんではないだろう。仕事のほうが忙しいからと軽く考えて放置しているうちに、気づいたときには大腸がんが進行していたというケースもよく聞きます。肛門からの出血は、女性だけでなく男性も要注意です。「お尻のトラブルは痔と思っている方がほとんどですが、排便後の出血には、大腸ポリープや潰瘍性大腸炎、クローン病などが潜んでいることがあります。また、大腸がんは40代、50代でリスクが上がりますが、20代でもなる人がいます。出血を繰り返している方には、大腸内視鏡検査をお勧めします」(須田副院長)。
大腸内視鏡検査は、大腸がんの早期発見に極めて有用性が高いといわれています。排便時に出血の症状がある、血便が出る、肛門からの出血を繰り返しているときは、恥ずかしがらずに医師に相談して検査を検討してみましょう。

監修 久我山クリニック 医学博士 須田 淳子先生


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