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vol.20 睡眠時無呼吸症候群は流産の原因にも?!

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Vol.20 睡眠時無呼吸症候群は流産の原因にも?! 眠っている間に呼吸が何度も止まる睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:以下SASと表記)。この病気は山陽新幹線の居眠り運転で広く知られるようになりました。
SASは日中の居眠りによる事故とは別に、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞などに結びつく点でも大きな問題になっています。ところが、さらに、「流産の原因にもなっているのでは・・・?」と、愛知医科大学教授で附属病院睡眠医療センターの塩見利明部長が学会等で発表するとともに、広く警告しています。
SASとは「日中に過剰な眠気があり、7時間以上の睡眠中に10秒以上の呼吸停止が30回以上(あるいは1時間に5回以上)あるもの」と定義されています。
睡眠時無呼吸のほとんどが「閉塞性睡眠時無呼吸」で、睡眠中に舌やのどの筋肉が沈下して、空気の通り道を塞いでしまうための無呼吸です。
その原因としては、「口蓋垂(こうがいすい)の肥大」「口蓋扁桃(こうがいへんとう)」「下顎(かがく)の形態異常」など数多くありますが、今日最も多いのは「肥満」を原因としたものです。その点から、SASは生活習慣病が引き起こす疾患ともいえるのです。肥満は当然、女性にも同じように起こります。SASの女性が妊娠した場合、どうなるでしょう。
SASの人は眠っている間に、実は、大変な酸欠状態に陥っているのです。重症のSASのケースでは、なんと8000メートル級の山にいるのと同じ酸欠状態を示すのです。エベレストの山頂を思えば大変な状況であることは十分に理解できるでしょう。
本人は酸欠状態で苦しいので覚醒して、再び正常な呼吸をとり戻します。ところが、同じ状態、つまり酸素の届かない状態が胎児で起きているのです。塩見教授はこの低酸素血症が胎児に大きな影響を与えており、このことが流産の原因になっていると考え、低酸素血症から胎児を守るべく声をあげているのです。
事実、それまで流産を繰り返していた女性が、SASの治療を行いながら妊娠したところ、元気な赤ちゃんを抱くことができたのです。 その治療とは、肥満を改善するダイエットとともにCPAP(シーパップ:鼻マスク式持続陽圧呼吸装置)療法を行うことでした。昼寝をするときも、夜眠るときもCPAPを使ったのです。この装置は空気の通り道である上気道が塞がらないように適当な圧力で空気を送り、強制的に上気道を広げるものです。これによって充分な睡眠が得られます。
つまり、この女性はCPAP治療で自分自身だけではなく、胎児も低酸素血症にならずにすんだのです。
現在、睡眠外来や睡眠センターを設けているところが少しずつ増えてきていますので、昼間眠くてたまらないといったSASと思われる方は、一度受診されることをおすすめします。

※SASについては「はじめよう!ヘルシーライフ」Vol.18“大いびきは生活習慣病の一因”でもご紹介しております。


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