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vol.80 1月がピークの感染性胃腸炎

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Vol.80 1月がピークの感染性胃腸炎 冬場11月から2月に患者が増え、1月にピークを迎えるのが、季節性インフルエンザと感染性胃腸炎。
感染性胃腸炎といわれてもピンとこない人には、「ノロウイルス」といえば分かっていただけるでしょう。ノロウイルスは日本における食中毒の原因ウイルスのNo.1。そのノロウイルスを原因とするのが「感染性胃腸炎」です。
乳児から高齢者まで広く感染するものの、一般的には症状は軽く済みます。しかし、免疫力が低下している人や、慢性疾患を持っている人、高齢者、さらに乳幼児や小児では重症化し、ときには生死にかかわることもあります。その点は、インフルエンザと共通です。
感染原因はノロウイルスのついた食品を口にする以外に、ヒトからヒト、また、嘔吐物から空中を浮遊しているノロウイルスを吸い込んで感染することも報告されています。
ノロウイルスが口から入ると、1~2日の潜伏期間を経て発症します。症状は「吐き気」「嘔吐」「下痢」が基本ですが、中には「頭痛」「悪寒」「筋肉痛」「発熱」「咽頭痛」を伴うこともあります。基礎体力のない子どもや高齢者では、下痢や嘔吐に伴う脱水症状や肺炎といった合併症に陥りやすいので、十分な注意が必要です。

軽症のケースでは「風邪かな?」「疲れかな?」程度に思って放っておく人も少なくありません。しかし、それが思わぬ方向に――。
症状が治まった後も便の中には1週間から1カ月程度ノロウイルスが排泄されるといわれています。それを知らずにいると、自分自身が周囲の人々の感染源になってしまうのです。
だからこそ、流水とせっけんによる手洗いを徹底する必要があります。
さらに、便と一緒に汚水処理場にたどりついたノロウイルスは、その浄化処理をかいくぐって河川から海へ。そこでノロウイルスは二枚貝に取り込まれて蓄積されるのです。
その二枚貝は十分に熱を通さずに食すと、食中毒を引き起こします。

治療は特効薬がないので、対症療法のみというのが現状。下痢止めはウイルスを体内にとどめることになるので服用してはいけません。嘔吐に対しては吐き気止め、嘔吐・下痢による脱水状態には経口輸液薬、経静脈輸液が中心に用いられています。
感染する前に、ノロウイルスのシーズンには以下の対策を家庭でしっかり行いましょう。

(1) 二枚貝は生では食べない(85度以上で最低1分は加熱するとノロウイルスは死滅する)
(2) 手洗いの励行(帰宅時や食前には流水・せっけんによる手洗いを行う)
(3) 調理用品などの消毒(まな板、包丁、食器、ふきんなどは85度以上の熱湯で1分間加熱消毒)
(4) 嘔吐物のついた衣類、物品、床などは消毒。アルコール消毒は効果がないので、次亜塩素酸ナトリウム(濃度は200ppm以上)を使って消毒する。家庭用の塩素系漂白剤(原液に含まれる次亜塩素酸ナトリウムの濃度約5%)の場合は約200倍程度に薄める。
※塩素系漂白剤の使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。


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