糖尿病の診断基準とは

血糖値の測定

健康診断などで、血糖値を測定したことがある人は多いでしょう。血糖値というのは、血しょう1dl(デシリットル)中にふくまれる、ブドウ糖の量のことです。
一般的な健康診断では、空腹時血糖値(12時間以上食事をしない状態での血糖値)の測定を行います。その数値が高い場合、さらにブドウ糖負荷試験血糖値(一定の条件下でブドウ糖を飲み、2時間後の血糖値)を測定したうえで、糖尿病の可能性について判断されます。

糖尿病の診断基準

日本糖尿病学会では、次のような診断基準を定めています。

糖尿病型
空腹時血糖値が126mg ⁄ dl以上
または
ブドウ糖負荷試験血糖値が200mg ⁄ dl以上
ブドウ糖負荷試験は通常、空腹時血糖値が高めの人を対象に、2次検査として行われます。
糖尿病型の場合、さらに後日の検査で同様の結果がみられると、糖尿病と診断されます。
境界型
糖尿病型と正常型の間の血糖値
(空腹時血糖値が110mg ⁄ dl以上~126mg ⁄ dl未満、
ブドウ糖負荷試験血糖値が140mg ⁄ dl以上~200mg ⁄ dl未満)
糖尿病予備軍とされるのが、境界型です。
正常型 空腹時血糖値が110mg ⁄ dl未満
および
ブドウ糖負荷試験血糖値が140mg ⁄ dl未満

実際の糖尿病の診断と治療は、こうした数値に加え、肥満やほかの病気(高血圧や脂質異常症など)の有無などから医師が判断します。
この表でとくに注意したいのは、境界型の人です。いわゆる糖尿病予備軍とされ、「そろそろ血糖値に注意しましょう」という意味です。
ところがその中には、Lesson2で紹介した「食後高血糖」の人が少なくありません。
食後高血糖かどうかは、ブドウ糖負荷試験などを基にして医師が判断します。糖尿病予備軍とされたら、ブドウ糖負荷試験を定期的に受け、食後高血糖の可能性についても調べることが大切です。