運動でコントロールする

毎日の生活の中に、適度の運動をとり入れていますか。糖尿病の予防や改善に効果がある運動の方法について知っておきましょう。

運動はなぜ大切なのか

1. 血液中のブドウ糖を消費する

運動をすると、食べすぎなどで余ったブドウ糖を消費することができます。

2. インスリンの働きをよくする

運動には、ブドウ糖を直接細胞にとり込む効果があり、すい臓を休ませてインスリンの働きをよくします。

3. 脂肪細胞を小さくし、インスリンの働きを助ける

運動を続けると脂肪細胞が小さくなり、インスリンの働きをさまたげる物質を減らすことができます。

4. 基礎代謝エネルギー量を上げる

運動によって筋肉量が増えると、基礎代謝量が上がり、からだ全体のエネルギー消費量が増えます。

効果的に運動するには

もっとも効果的な運動法は、ウォーキング、アクアサイズ(水中運動)、スローピング(坂道や階段の上り下り)、軽めのジョギング、エアロバイク(固定式の自転車こぎ)などの有酸素運動を、毎日少しずつ続けることです。朝晩10~15分程度でもいいので、できるだけ毎日続けましょう。
運動の時間をとることがむずかしい場合は、「通勤の行き帰りにひと駅前で降りて歩く」「昼休みに歩く」といった方法でもかまいません。また「駅や会社では階段を使う」と、平地を歩くより短時間でエネルギー消費効果がみられ、足の筋肉を維持する効果もあります。
夕食後は、テレビを見ながらごろ寝をしていませんか。とくに食後に高血糖になりやすい人は、軽い屈伸運動やラジオ体操などでからだを動かしましょう。後片付けをしたり、掃除をするなどの方法も、エネルギー消費につながります。
また運動は、血糖値が上昇する食後30分~1時間後に合わせて始めると、より効果が高まります。
ただし、糖尿病や高血圧などの治療を受けている人は、いきなり運動を始めると危険なことがあるので、医師に相談してください。

ワンポイントアドバイス

糖尿病の人は、海外旅行などで長時間にわたり飛行機に乗ったとき、旅行者血栓症(通称・エコノミークラス症候群)を起こしやすい傾向があります。機内では水分を多くとり、時々歩いたり、軽い屈伸運動をしたりして予防しましょう。