食事で内臓脂肪を減らす

肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。まず自分の食生活を見直し、肥満につながることを避けるようにしましょう。

腹八分目にする

90歳、100歳といった長生きの人には、肥満や生活習慣病が少ないという特徴がみられます。健康長寿の秘訣をたずねると、「腹八分目」や「粗食」をモットーにしていることが少なくありません。粗食といっても、和食をベースに、魚、野菜、海藻類など多くの品目をバランスよく食べています。ただし、量はけっして多くありません。
腹八分目を心がけ、動物性脂肪が少ない和食を上手にとり入れることが大切です。

食物繊維を多くとる

野菜や豆類、キノコ類、海藻類などは、低カロリーでしかも食物繊維が多くて腹持ちするので、内臓脂肪を増やさない最適の食品です。また食物繊維には、脂質や糖質の吸収をさまたげる働きもあります。おかずに積極的にとり入れましょう。

ゆっくりよく噛んで食べる

早食いをすると、満腹感を感じる前にたくさん食べてしまいがちです。血糖値を急上昇させたり、余分な脂肪分の蓄積を増やす結果にもなります。
ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べると、食べる量を無理なく減らすことができます。

夜食はひかえる

夜食は太る…最近の研究から、それが証明されました。夜たくさん食べると、体内時計に関係するタンパク質(BMAL1)の働きで、脂肪細胞だけでなく、そのほかの細胞にまで脂質が蓄積されやすいことがわかったのです。夜間はとくに食べすぎに注意が必要です。

アルコールはほどほどに

厚生労働省の調査(「健康日本21」)では、男性には肥満とならんでアルコールをたくさん飲む人も増えています。アルコールには栄養はほとんどありませんが、カロリーは少なくありません。またアルコールを飲むと、おつまみに揚げ物や炒め物など高カロリーのものを食べたくなるので、それもカロリー過多になる原因です。
アルコールの量は、ほどほどに。ちなみに健康の目安とされる量は、1日当たりビール大瓶1本、日本酒1合、ワイン2杯程度です。

ワンポイントアドバイス

肥満が社会問題にもなっているアメリカでは、「テレビを見る時間が長い人ほど、肥満と糖尿病のリスクが高い」という調査報告もみられます(女性を対象)。その理由は、テレビを見ていてからだを動かさないことと、もうひとつ、テレビを見ながらつい間食をしてしまうことです。一般に肥満の人には、間食をよくする傾向がみられます。テレビを見ていて手持ち無沙汰のときには、とくに注意する必要があります。