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※記事の記載内容は、インタビュー取材時点のものとなります。

その想いに追い風が吹いた。

開発統轄本部 技術開発統轄部 学術開発部

桑原 光巨 Mitsuo

2009年入社
大阪大学大学院 医学系研究科 修士(保健学)
自治医科大学大学院 医学系研究科 博士(医学)

※記事の記載内容は、インタビュー取材時点のものとなります。

PROFILE

入社後から学術開発部に所属。循環器事業のミッションであるゼロイベントに必要なインデックスの開発や、世界で家庭血圧計を普及させるための学術活動などを担当。国内外の医師との共同研究を企画・実行し、グローバルに活躍している。

ゼロイベントを、いつか現実のものへ。

オムロンヘルスケアが全社をあげて目指す、脳・心血管疾患の発症ゼロ「ゼロイベント」。その実現へ向け、学術開発部に在籍する桑原もまた懸命に仕事に取り組んでいる。学術開発の役割は商品の臨床的な価値の向上や、ゼロイベント実現に必要な「インデックス(医療指標)」を開発することだ。「たとえば家庭用血圧計。昔は『病院で測る血圧』が重視されていました。インデックスとしてメインだったということです。ですが今では『家庭で測る血圧』が重要視されています。なぜか。それはオムロンヘルスケアが医師とともに臨床研究を重ね、『家庭で測る血圧』というインデックスが医療において重要だと証明したからなんですね。家庭用血圧計に臨床価値を付加したんです」。桑原は循環器疾患に大きく影響しているのは血圧だと言い、ゼロイベントへの想いをこう語る。「どのようなインデックスを測れば循環器疾患の発症予測精度が高まるか仮説を立て、臨床現場での検証を行っています。根底には、本気で医療を変えたいという使命感に似た想いがあるんですよ。医療を変えるのは医師の研究だけでは無理で、デバイスやツールが必要です。私たちはどちらも手掛けているので、医療を変えるならオムロンヘルスケアだと思いますね。それにゼロイベントは究極の目標なので、実現したらノーベル賞ものですよ」。桑原はその壮大な想いを達成するために医学博士の学位を修了し、学会発表や論文発表などを行いながら歩みを進めている。

疾患予測を臨床の現場から。

学術開発の担当カテゴリーは大きく〈循環器〉〈ペイン(膝の痛みなど)〉〈呼吸器〉に分かれています。私は循環器カテゴリーを担当し、脳卒中などの循環器イベントの発症を予測するためのインデックス(医療指標)を探っています。たとえば1年に1回、健康診断で血圧を測れば脳卒中にならないと断言できればいいですが、そうではありません。健康診断を受診していても脳卒中になってしまう可能性はある。では、いつどんな時に血圧を測れば循環器疾患の予測精度が高まるか。また、血圧だけではなく心臓の機能も見れば予測精度が高まるのではないか。まだ誰も証明していないことに対して仮説を立てて、疾患の発生率が本当に下がるか臨床現場で検証しているんです。検証結果のアウトプットは論文が多いですね。医師と対等な立場で論文を作成し、発表しています。協働する医師は国内外問わずですが、私たちと想いを共有できることやパーソナリティ、学会の発言などを重視しています。今だと心電図の領域の先生にアプローチするため海外を飛び回っています。世界中にアプローチする学術活動は我々の強力な強みだと自負しています。難しい仕事ですが、権威と言われる医師と対等な関係で研究を進められるので刺激的です。

重要なのは学ぶ姿勢、考える姿勢。

今でこそ学術開発が楽しくなりましたが、入社当初は苦労しましたね。常に「君はどう思うの?それはなぜ?」と問われてきました。そのおかげで、自分なりに考えて提案するクセがついたんですけどね。それに自発的に考え、挑戦する姿勢は後押ししてくれます。私自身、入社後に会社の支援を受けて医学博士の学位取得にチャレンジさせてもらいました。医師と対等にコミュニケーションしようとすると、医療の専門知識や考え方を身につけておかないといけません。私は入社時から自治医科大学の循環器内科部門と共同研究をしていたので、そのまま大学に籍を置いて仕事をしながら研究を進めました。論文の書き方や、医療の課題に対する考え方を磨けたのはプラスでしたね。
こう聞くと医学を学んでないと学術開発ができないと思うかもしれませんが、全然そんなことはなくて。専門知識は入ってからでも身につきますし、実際に文系出身の社員もいます。大切なのは素直に学ぶ姿勢や、新しいことを吸収しようとする意欲です。経験を積めば経営層への提案や学術開発の戦略立案もできるので、グローバル規模で健康への貢献を実感できる仕事です。

誰かの幸せのために働く幸福。

自分の仕事が、誰かの健康な生活に貢献している。そう実感できる瞬間に何より達成感を感じますね。意外かもしれませんが、学術開発部の社員がいちばん患者さんに会う機会が多いと思います。以前、夜間血圧の研究を実施していた時に、睡眠時無呼吸症候群を持つ高血圧患者さんのご自宅に伺ったことがありました。その時に直筆の感謝のお手紙をいただいたんです。そこには「いつもオムロンさんの血圧計を使って健康管理ができています。本当に感謝しています」と綴られていました。
私たちの使命は開発した機器が患者さんの役に立つことです。まずは、ただ1人の患者さんでもいいんです。たとえば何かのインデックスやアルゴリズムで1人が助かったことを証明できたとします。そうすれば1000人、10000人と助かる可能性が広がる。だからこそ、目の前の一例一例を大事にしています。ゼロイベントもそうですが、オムロンヘルスケアがしていることは、すべての人の幸せのためになること。その一翼を担えていることは幸せです。