病院で高血圧と診断され、塩分を控えるように指導されました。濃い味付けが好きなのですが、もう食べることはできないのでしょうか。

高血圧 予防・対策・生活改善
病院で高血圧と診断され、塩分を控えるように指導されました。濃い味付けが好きなのですが、もう食べることはできないのでしょうか。
食べることはできますが、塩分をできるだけ減らす工夫をしましょう。
血圧を上げないために一番大切なことは塩分コントロールです。これまでのさまざまな研究で、塩分が血圧を上昇させるひとつの要因となっていることが証明されているからです。食事中の塩分を少なくすることで血圧が下がれば、降圧薬の量を減らすことも可能となります。統計によると現在、日本人は1日12~13グラムの食塩を摂取していることがわかっていますが、高血圧の治療をしている人では1日7グラム以下に抑えることが推奨されています。
高血圧治療の塩分コントロールは、塩分を多く含むものを全く食べてはいけないということではありません。重要なのは、塩分量を意識した食生活に変えていくことです。まずは塩、味噌、しょうゆなどの調味料を減らす、ラーメンや味噌汁の汁を残すなど、塩分を減らす努力をしましょう。味付けに、わさびや唐辛子などの香辛料やレモン、お酢などを利用することで、塩分が少なくても満足感を得やすくなります。
塩やしょうゆなどの調味料を控えるだけではなく、既に塩分が多く含まれている食品にも注意しましょう。例えば、たらこや塩鮭などの塩蔵品やかまぼこやハムなどの加工品には、食品の保存の観点から塩分が多く含まれています。また、おつまみのチーズやスナック菓子も要注意です。これらの食品は少量を取り分けて、食べる量を制限するなどの工夫をしましょう。

先生のプロフィール

島本 和明先生

島本 和明 先生

日本医療大学総長
略歴
昭和46年 札幌医科大学卒業
昭和47年 札幌医科大学第二内科入局
昭和48年 東京大学医学部第三内科研究生
昭和53年 米国サウスカロライナ医科大学 留学
昭和55年 札幌医科大学第二内科講師
昭和59年 札幌医科大学第二内科助教授
平成8年 札幌医科大学第二内科教授
平成16年 札幌医科大学附属病院長
平成22年 札幌医科大学理事長・学長
平成28年 日本医療大学総長
ご専門
内科学全般、循環器、高血圧、腎臓、内分泌、糖尿病

関連コラム

商品を見る