vol.42 増える歯周病、"歯肉より下は歯科医で治療"

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Vol.42 増える歯周病、 歯を失う2大疾患には「虫歯」と「歯周病」があります。虫歯の予防には力が注がれているため、親や子どもの“デンタルIQ”が上がって、虫歯で歯を失うケースが激減している一方で、歯周病のために歯を失う人が今日では最も多くなりました。
その歯周病も、実は虫歯と同じ細菌による感染症。歯につく細菌は約600種で、その中に歯周病菌も10種類程度あります。
歯周病の進行は、歯の周囲に付着したバイオフィルム(細菌の集まったプラーク=歯垢のこと)が歯面に沿って下へ下へとおりていき、歯肉と歯の間で毒素を出し、歯茎に炎症を起こすのです。炎症が起きると出血する、これが歯槽膿漏症です。さらに進むと、歯が埋まっている歯槽骨が退き、歯を支えきれなくなって歯が抜けることになります。
この歯周病を防ぐには歯磨きの徹底と定期検診が大切ですが、歯肉に炎症が起きた時には歯周病治療を得意とする歯科医を受診すべきです。
それは、歯肉より下は歯科医、歯肉より上は患者という役割で、一緒に協力して治療に歩み出さないと良い結果が得られないからです。ブラッシングだけで歯と歯肉の間のバイオフィルムをかき出すのは容易ではありません。
事実、1984年、スウェーデンのアニタ・バーダー・シュタイン博士が歯肉が腫れて出血している歯周病患者に歯磨き指導を3カ月間行いました。しかし、患者の歯肉縁下バイオフィルムはほとんど減少しませんでした。
そこで、今度は患者の歯肉縁下バイオフィルムとその死がいの歯石を除去。すると、歯肉縁下バイオフィルムがグンと減少したばかりか、歯肉の炎症も治ってしまったのです。
実際に歯周病専門医を受診すると、問診の次に、「プラークスコア」「プロービング」ほか、多くの検査が行われます。
「プラークスコア」、は赤い染め出し液を使ってしっかりブラッシングができているかをチェック。「プロービング」は、歯と歯肉の間の歯周ポケットの深さをプローブという器具を入れてはかります。そのときに出血するようならば炎症があることになります。また、その深さで重症度が判定できます。
このような検査を行い、歯周病と診断されると治療に入ります。バイオフィルムとともに歯石を除去するにはスケーラーという器具を使います。今日では超音波で刃の先端を振動させて歯石を除去する「超音波スケーラー」が多く使われています。
重症のケースでは歯肉を切開して歯石を除去する外科的治療も行われます。
あとは、治療後に患者自身がバイオフィルム・コントロールをいかにきっちりできるかにかかっています。コントロールが十分ではない患者には、歯科衛生士による歯磨き指導が定期的に行われます。これを徹底することで、歯周病で歯を失うことなく、80歳、90歳になっても自分の歯で食事ができるのです。
  • このコラムは、掲載日現在の内容となります。
    掲載時のものから情報が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

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