血圧を語るゼロイベント
特別インタビュー

第1回インタビュータレント 関根 勤

<前編>「小2の時に親父が倒れるという衝撃。これが健康に目覚めるきっかけだった」

芸能生活43年。お笑いタレントとしてバラエティを中心にテレビ・ラジオ・CM・舞台と第一線で活躍を続ける関根勤さん。忙しい生活の中でどのように健康に気を使って生活していらっしゃるのだろうか。
テレビなどからでは窺い知ることのできない関根さんの実生活と芸能界の裏事情、そして健康を維持するための関根さん独自のアイディアまで、幅広くユーモアを交えながらお話いただきました。
本インタビューは前編・後編の2回に分けてお届けいたします。

芸能界は不規則な生活でストレスも多いと思いますが、ご自身の健康について意識はされていますか?

健康、それはもう意識してますよ。若い頃からです。

芸能界の方には、「仕事も忙しく夜は仲間と夜通し飲み明かす」というような不健康なイメージがあったものですから健康に気を使って生活していらっしゃると聞いて、まず驚きです。

そのイメージ通りのような人は多いんじゃないですかね。特に若手の30代あたりは。不思議なんですが、忙しい人ほどよく遊んでいます。仕事が充実している人ほどその勢いの延長で遊びも頑張るみたいな。仕事がない人ほど遊んでないですね。遊ぶ力がないのでしょう(笑)。

健康を意識するようになったきっかけは何かあるのですか?

うちの父が52歳の頃、高血圧が原因の脳出血で倒れまして。僕が小学校2年の頃でしたね。あの頃は「メタボ」なんて言葉もないし、太ると体に悪いなんていうのも一般の人にはあまり浸透してなかったんですよ。むしろ太っていると「恰幅がいい」とか「貫禄がある」なんて褒め言葉のように言ってたんですよ。その父が倒れたものですから、僕は小2にして悟りましたね。「ああやって太って高血圧になるのは体に良くないんだ」って。

お父様が倒れるというのは家族にとってもかなりショックな出来事だったのではないですか。

これはショックでしたよ。家の中で一番強い存在だった人が布団で寝ているんですから。倒れたことで一番強い存在から一番弱い存在になっちゃったんです。家の中も暗くなりましたよ。
不幸中の幸いというのでしょうか、父は消防士をしていて職場で倒れたので、すぐに救急車で病院に運んでもらえたのがよかったです。リハビリは必要でしたが、後遺症も残らず、半年で仕事復帰できましたから。父から「勤、公務員になれ。公務員だったからお父さんは半年休めた。一般企業だったらクビだぞ」とその時に言われましたね。
僕、父に対して反抗期がなかったんです。父親って強い存在だからぶつかっていきたくなるものだと思うんです。ほとんどの場合は、高校生くらいになって自分の方が親父より強くなったことに気づいてやっと逆らわなくなる。でも僕の場合は小2の時に父親の方が弱くなっちゃったんですから。「ぶつかっていく対象」じゃなくて、「ケアする対象」になっちゃいましたからね。

公務員になれと助言があったのに、芸人の道へ進まれていますね(笑)

高校2年の時になりたい職業がなかったんですよ。そこで考えてみたら、消防士って人様が困った時に駆けつける、本当に世の中の役に立つ職業なんじゃないかと。父に「俺は跡継いで消防士になる」って言いました。それは喜んでいましたよ。うちの兄は2人とも金融関係に進んでしまいましたからね。それから消防士になるつもりで大学へ行きました。
転機は大学3年のときです。在学中に出演した『ぎんざNOW!』の「素人コメディアン道場」で5週連続で勝ち抜き、初代チャンピオンになったことをきっかけに芸能界に入っちゃいました。事務所に呼ばれて芸能界入りを誘われた時、最初は断ったんですよ、「僕は消防士になるつもりで大学に行っております」ってね。でも事務所の社長に「君の才能を保証する」と言われて舞い上がりましたね。その数時間後には覚書にサインしてましたね。

公務員と芸能界は真逆の業界。報告した時のお父様の反応はどうでしたか?

その時の父の落胆ぶりたるや(笑)。
「公務員がいいって言ったのに、明日をも知れぬ一番不安定な業界に入って、お前はどうするんだ」と。
その頃、父は病院に入院中でしたから、事務所の社長と今の副社長を連れて報告に行ったんですよ。ガッカリはしていましたが、父は社長に条件を出しましてね。
「うちの息子は消防士にさせるために大学に行かせたんだ。おたくがどうしてもうちの息子と契約したいって言うんだったら、大学卒業後は公務員の給料分は保証してくれ」ってね。この父の言葉のおかげで僕は芸能界に入ってからバイトせずにいられましたね。

とんとん拍子で進んだ芸能界入り。苦労はなかったのですか?

普通は修行してある程度芸がうまくなってから世に出るんですが、僕の場合は素人でそのまま出て公開修行。全然面白くない姿をテレビで人様に見せる。この精神的ダメージは大きかったですよ。番組で「恥かいて、落ち込んで」の繰り返し。社長からは「とにかく早く売れろ」と、ものすごいプレッシャーでしたね。この頃が人生の一番のストレス時期だったかもしれません。

今ではテレビで見ない日はないほどのご活躍ぶり。いつもどんな生活を送られているのでしょうか。

朝は8時くらいに起きて、朝食を取って、日中は仕事に出て、帰って来て夕飯を6時か7時に食べて、12時過ぎには寝るという、健康そのものの生活です。
運動はだいたい一日おきくらいにゴルフの素振りをしていますね。ゴルフ場にも週1回ペースで行っています。カートは乗らずに1回のゴルフで2万歩くらい歩いてますから、いい運動です。あとは最寄りの駅から家まで歩いて帰ったりして、意識的に歩くようにしています。

食事の面で気をつけていることはありますか?

食事は好きなものを食べています。豚カツなんかも食べますしね。後輩と豚カツを食べに行くと、「もう年なんだからキャベツから食べましょうよ。その方が健康にいいですよ」って言われます。でもちょっと待てよと。俺は数日前から豚カツを食べたくて照準を合わせてきたんだから豚カツから食わせてくれと。血糖値がゆっくり上がったほうが血管を傷つけなくていいので、最近は食べる順番も気をつけるようになってきましたけどね。不本意ですが、最近はまずキャベツを食べてから豚カツです(笑)
あと年齢的なものもあると思うのですが、以前よりも便秘気味になってしまいました。これも老化が原因らしいです。そこで食べだしたのがヨーグルト。例えば、朝ご飯をたっぷり食べた時には、昼はヨーグルトとシリアルとフルーツ、のような感じで取り入れています。
昔は3食ガッツリ食べられたのですが、年齢的に食べる量はかなり減って1人前が食べられなくなりました。16、17歳の頃は、みそラーメン2杯くらい余裕でしたし、鰻重を2個ペロリと食べたりしていましたからね。今は注文する時に、「ご飯少なめでお願いします」と言います。

仕事柄ロケ弁や外食も多いですよね。

ロケ弁はご飯を残しちゃいますね。だいたいお弁当のご飯は200グラムくらいだと思うのですが、今は半分の100グラムでいいです。体がそれで足りているので、アジャストしていかないと太っちゃうんです。
おかずも半分くらい残してしまいます。お弁当のおかずってかなり味が濃いでしょ。味付けを濃くするお店の気持ちもわかりますけどね。「あそこのお店味薄くてまずいよね」って言われたくないんだと思います。味が濃いほうが美味しく感じる人が多いのでしょう。日本は塩分取りすぎの国なんですよ。僕は元々薄味好きなんです。味噌汁は白湯くらい薄くたって大丈夫。薄い分にはいくらでも平気です。
食材についても、肉の脂がダメなのでお肉はヒレが好きですし、鶏もササミが好きです。元々そういう嗜好なんで、食事の面では健康のために我慢するというストレスもなく楽です。

お酒を飲む機会も多そうな芸能界。お酒の飲み方は?

お酒は一滴も飲めないんです。最近一番好きなのは炭酸水です。シュッとしていて美味しいですね。コーラとか甘いものだとお腹いっぱいになってしまうので食前では甘いものは取らずに炭酸水がいいですね。

今年、30〜74歳の男女1万人を対象にした高血圧に関する意識と行動の実態調査※が行われました。その結果を見ますと、3人に1人が健康診断で「血圧高め」と指摘された経験があるとか。生活の面でも食事の面でも関根さんのような健康的な生活が送れればいいのですが、なかなか皆さんできないのが現状だと思います。

※オムロン ヘルスケア株式会社「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」, 2017

何と言っても「食」に気をつけることですよ。食べる量を減らしてみる。お酒も適量にする。僕は飲めないのですが、皆さん多分飲みすぎなんですよ。9割9分の人が飲みすぎ。「体にいい量」って思っている以上に少ないんですよ。「酒は百薬の長」と言われていますが、そこで認められている量は本当に少ない※。少量のお酒のつもりが逆に呼び水になってスイッチが入ってつい飲みすぎてしまうんでしょう。

※【参考】厚生労働省 e-ヘルスネット 健康日本21(アルコール)

あとは、ストレスが血圧を上げているのでしょうね。仕事のストレスの他にも家庭のストレスもたくさんありますし。お子さんの学費、習い事、家のローン、保険、そりゃもう大変ですよ。関根勤のペーソス※格言に「男は働いて働いて、黙って死んでいけ」っていうのがありまして。
男はいろんなことをぐっと抱えて生きて行く動物なんです。男は黙ってぐっとこらえて。ペーソスでしょう。自分が我慢すれば丸く収まるんだ、そう生きて行こう、と覚悟を決めれば耐えられるんです。僕は今もう覚悟を決めていて、死んだら墓さえいらないって思っているんです。僕の墓のスペースがあるなら有効活用してくれと。我々人間はただの元素の集まりですから。死んだら元素に戻るだけです。

※ペーソス:物悲しい情緒。哀愁。哀感。

死ぬまで人様に迷惑をかけずに健康なまま歳をとれたらと思いますね。今、平均寿命はどんどん上がっていますが、平均寿命と健康寿命※との間の差が約10年もあるといわれています。その10年間は寝たきりだったり、誰かの補助が必要だったりするわけですが、どのように感じられますか。

※健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間

高齢者に無料でスポーツジムを解放している自治体がありますね。皆さんお時間があるのでジムで鍛えているんですよ。そうしたら寝たきりになる方がいなくなった。健康寿命が長くなって最後にぽっくり亡くなるから。これが医療費の大幅カットにつながっているようです。自治体としてもジムを解放する費用の方が医療費を注ぎ込むよりずっと安く済むのでしょう。
農業もいいみたいですよ。長野県は農業をしているお年寄りも多いのですが、その方達は本当にずっと健康なんですって。何がいいのかというと、季節ごとに育てるものが違うし、農作物を世話して育てるという先々の「楽しみ」があるから。太陽を浴びながら動いて。農業は重労働ですが、皆さん本当に元気でたくましい。
僕もずっと健康のまま、バタッと天寿を全うしたいものです。

インタビューは後編に続きます。

後編はこちら

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