血圧を語るゼロイベント
特別インタビュー

第1回インタビュータレント 関根 勤

<後編>「82歳までは何としても元気で生きていたいんです」

健康的な生活を送っていたにもかかわらず、昨年病気が見つかり手術にまで至った関根さん。病気を通じて健康に対する意識はどう変わったのだろうか。自身の経験もふまえつつ、働き盛りの方々へ向けアドバイスをいただきました。

昨年、テレビ番組の企画の中で心臓の疾患が見つかって手術されたそうですね。

心臓の血管の内側が詰まって狭くなる冠動脈狭窄という病気でした。動脈硬化が原因だそうです。
TBS系『サタデープラス』の中の企画ロケで、心臓の検査に特化した病院があるということでレポートに行ったんです。最初は気楽なもので、オープニングも心電図つけるために裸になった時もモノマネをしてふざけてましたね(笑)。
予定では「MRI撮影して結果は数週間後の生放送で」という段取りだったのですが、検査の数日後に連絡が来て再検査になりまして。再検査に行くと、院長先生が神妙な面持ちで「造影剤を入れてMRIでもう少しきちんと撮って見てみましょう」と言うんです。
MRI撮影後、結果は10分~15分程度ですぐに出ました。先生曰く、「関根さん、あんまりいい結果じゃないですよ。62歳(検査当時の年齢)の人を無作為に100人選んだとしたら、関根さんは上から4番目に悪いです。心臓の大動脈3本のうち2本がすごく詰まっています。すぐに精密検査をしてください」と。

「え?4番目ですか?」と聞き返すほどびっくりしました。1番目の人が入院するくらい悪い状態だとした場合、僕はその4番目。相当悪い状態なんだろうと。そしてすぐに心臓専門の病院を紹介していただき、ステント手術※をしました。ステント手術は局所麻酔で手首内側を2ミリ切る程度で出来たので、次の日には退院できました。ステント手術前とステント手術後の心臓の映像を見せていただいた時は驚きましたね。チョロチョロと小川のようにしか流れていなかった血流がブワーッと流れるようになったのですから。

※狭くなった血管にバルーンと呼ばれる風船を入れ押し広げ、そこにステントという筒状の金具を装着することで血流を回復させる手術

自覚症状はなかったのですか?

自覚症状がなくて全然わからなかったんです。階段を上った時に息切れするのも年齢のせいだと思っていましたし、普段通りゴルフもできましたしね。しかも人間ドックにも毎年行っていたんです。でも血管の詰まり具合まではわからなかったんです。血圧も高くはなくて、悪玉コレステロールの数値が高い程度でした。
もしすぐ手術していなかったら今頃どうなっていただろうと考えると怖いです。1、2年以内に倒れていたかもしれません。番組には感謝しています。そのおかげで病気も発見できて、いま、元気な姿でいられるのですから。
以前は、悪玉コレステロールの数値が高くても薬飲むほどじゃないだろうと高をくくっていたのですが、今はそんなこと言っていられないので、ちゃんと薬も飲んでいますよ。
僕はこの病気をきっかけにさらに健康志向になりましたね。

自覚症状がなく症状が進んでしまう病気は恐いですよね。ちなみに、高血圧は自覚症状がないのに様々な合併症を引き起こすので「サイレントキラー」と言われています。

僕の知り合いで、ゴルフ場で倒れてしまった方がいるんですが、高血圧が原因で心臓の血管の中の壁が剥がれてしまったらしいんです。
高血圧だと痛みもないですし自覚症状がないぶん恐いですね。高血圧になるとご飯が食べられなくなるとか、気持ち悪くなるとか、脳で感じて信号を送ってくれるといいんですけどね。

血圧は日常的に測っていますか?

血圧は高くないので毎日は測っていないです。父は血圧が高くて脳出血で倒れていますから高血圧は恐いものだという認識はあります。もちろん家に血圧計があれば測りたいですね。
僕はいつもゴルフ場に行くたびに置いてある血圧計で測っていたのですが、最近ゴルフ場に血圧計が置いてないことが多いんです。体重計は置いてあるんですけどね。プレイ前に測って血圧高いと気分が落ち込むからでしょう。せめてプレイ後に測れるようにお風呂場に置いて欲しいです。

調査によると、健康診断で「血圧高め」と指摘されたとしても半数の人は医療機関を受診していません。また、「血圧高め」の4人に1人しか毎日血圧を測っていないという結果が出ています。

※オムロン ヘルスケア株式会社「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」, 2017

僕は40代から毎年人間ドックに行っていますし、もし血圧が高いと言われたらすぐ病院行きますよ。やっぱり健康というのはすべての基礎ですから。健康があっての幸せなんです。健康だからこそ、「食べ物が美味しい」、「釣りが楽しい」、「温泉が気持ちいい」、「海外旅行に行ける」のだと思います。健康でなければ何もできないんですから。

日々、血圧含め自身の健康はチェックして欲しいですね。健康な人ほどそういうことに無頓着なんですよね。『自分は病気にならない』という自信過剰。病気になって初めて健康の大切さに気づく。気付いた時にはすでに遅いんです。

忙しい日々の中で自身の健康にまで気をつかうというのはなかなか難しいものです。

国がもっと積極的に「健康」を教育の中に盛り込んでいくというのはどうでしょう。高校受験あたりから「健康」という科目を作るんです。例えば、「48歳・公務員・身長173センチ・68キロ・検査数値も設定して、この人はこのまま放っておくといつどういう状態になるか書きなさい」みたいな問題とか。
健康診断の結果って、見ても数値がズラッと並んでいるだけで何が何だかわからないですよね。「健康」を学生のうちからしっかり勉強しておけば、自分で自分の状態が一目瞭然になって、将来のリスクもわかるようになるんです。うちの父しかり。健康に対しての無知って怖いんですよ。教育って大事ですよ。
あと、健康に関して言えば、今の日本の若い女性にひとこと言いたい。みんな痩せすぎです。人それぞれに健康的な体格があるので、皆同じように痩せる必要はないんです。
最近体を鍛える女性が増え始めていますよね、あれはいい傾向ですね。男性も女性も、「健康的な美しさ」って大事だと思います。

健康を維持するためにストレスをうまく解消することも大事だと思います。芸能界はストレスの多い業界だと思いますが、関根さんは日々ストレス感じること多いですか?

若い頃は日々緊張もありましたし上手くいかなかった時などはストレスを感じることもありましたが、今はもう収録でストレスを感じることはないです。ただ、最近のテレビは収録時間が長くなってきているので体力的にきつい時はあります。視聴率を気にして保険で多めに収録しておくんです。1時間番組だったらプラス1時間という感じで。放送時間の倍の時間を収録するというのが常識になってきちゃって。3時間特番だったら6時間収録ですからね。長時間収録が毎日続くとストレスになりますね。芸能界は生き残りの厳しい世界。その中でもお笑い界は特に厳しいですよ。歌手やアイドルはある程度の年齢になったら女優とかコメンテーターとかセカンドステージにいきますよね。スポーツも同じ。

ところが、お笑いの世界は違うんです。歳をとればとるほど円熟味が増してどんどん面白くなっていっちゃう。お笑い界はピラミッドのような階層ができていますね。階層のトップには、自身の冠番組を持つような重鎮が君臨して、不動の地位を築いていますね。
その下の階層には、40代、50代の実力を持った芸人さん達がいる。そのまた下の階層には多くの芸人がひしめいているんです。上の階層の人が一線から退いて譲ってくれない限りそのポジションは空かないんです。大変な世界です。40代でもまだ若手と言われる世界ですから。40代は会社員だったら役職をもらっていたりする年齢でしょう。でも、お笑い界の40代はまだバイトで食いつないでいる人も多いんですよ。彼らのストレスはすごいでしょうね。

お孫さんへの溺愛エピソードをよくテレビでお話されていますね。お孫さんの存在が日々のモチベーションに繋がっていますか?

孫はかわいいですね。一緒に遊ぶと疲れますけどね。
孫のために長生きしたいなと思うようになりました。今まで僕は父と同じ75歳くらいまで生きられればそれでいいと思っていたんですよ。健康で周りに迷惑かけずに75歳くらいでぽっくりいければと。でも、62歳で孫を抱いた時に思ったんです。
「この子の成人した姿が見たい」と。
孫が成人する時には僕は82歳です。『82歳まで健康でいること』。これが今の目標です。心臓にはすでにステント2本入っている「前科者」ですから、気をつけて生活して、あと18年頑張って健康でいないと。

最後に、読者の皆さんへ健康に関するアドバイスいただけますか。

まず一つは、日々の食に気をつけることです。お付き合いで飲みに行くケースも多いと思いますが、3回に1回くらいは軽めにしておくとか飲む量にメリハリをつけるのがいいと思います。
2つめは、体重に気をつけて体力をつけること。20代の体重プラス5キロ以内になるべくキープするんです。その方がおしゃれもできるし、階段の上り下りも楽ですし、身軽で体力があれば災害などのいざという時に家族を助けることができますよ。
3つめは、何か趣味を持ってストレスをうまく発散することです。日本人って真面目だから仕事が趣味になってしまうんですよ。仕事ではない趣味を持つことは大事です。
おすすめはひとりカラオケです。僕がよく歌うのは『山河』です。歌うたびに身が引き締まって、「明日からもっと頑張ろう」って思えるんです。
どんなアーティストの曲でもいい、自分の好きな歌を詩の内容を気にしながら歌うんです。30歳を超えると詩の深みがわかってきます。60歳超えるとさらにぐっと心にしみるようになりますよ。

ストレスをうまく発散しながら生活できれば血圧にもいい影響があるかもしれません。とにかく健康でいないと。自分の健康を過信せず、繊細な自分でいていただきたいですね。

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