CES Consumer Technology Association

出展ストーリー 03

世界に拡がる
遠隔診療サービス

グローバルに拡がる
遠隔診療サービス

“VitalSight™”家庭での測定データを活用した
高血圧患者向け遠隔患者モニタリングサービス
(米国)

世界の死因の第一位は虚血性心疾患、第二位は脳卒中とされていますが、世界人口が82億人に達すると見込まれている2030年までには、脳・心血管疾患による死亡者数が2,220万人(世界の全死亡者数の32.5%)にまで増えると予測されています。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)によると米国の成人3,700万人以上が心臓発作または脳梗塞の恐れがあるといわれるステージ2の高血圧症であり、かつ治療が行われていません。そんな中、米国では2025年までに血圧コントロール率80%を目指す指針が出されています。
このような米国における健康課題を解決するため、オムロンヘルスケアは高血圧などの慢性疾患患者向け遠隔患者モニタリングシステム“VitalSight(バイタルサイト)”の運用を、2020年6月よりニューヨークのマウントサイナイ病院にて開始。同年9月より提供を開始しました。
“VitalSight”では、患者が家庭で測定した血圧や体重データを医師と共有することができます、医師は専用の管理画面で通院時以外の患者の状態を詳しく確認できます。さらに、患者の状態変化を知らせるアラート機能により、よりタイムリーな治療・診断につなげることができます。病院の電子カルテとの接続も可能。

'VitalSight Remote Patient Monitoring
<使用イメージ>
  • 医師がVitalSight使用を指示、自宅に“VitalSight”キットが届く。
  • セット内の通信ハブを自宅の電源に接続。
  • 自宅で測定したバイタルデータは自動でプラットフォームへ転送される。医師は遠隔でデータを確認。
  • 異常時は、医師から患者へ連絡。必要な処置をおこなう。

“Hypertension Plus”家庭で測定した血圧データを活用して医師に投薬プランを提案する、遠隔診療サービス
(英国)

英国では、成人の約3割が高血圧症といわれています。英国政府が運営する国民保険サービスNHS(National Health Service)は、2030年までに国内の血圧コントロール率80%を目標に掲げています。一方で、最新のコントロール率は60%といわれており、更に血圧コントロール率を高めていく必要があります。英国の場合、緊急時を除き、受診する医療機関は事前に登録した「かかりつけ医」と決められています。かかりつけ医によっては多くの患者を抱えているため、待ち時間が長く、十分な診察時間を確保できない場合があります。それを理由に治療を中断してしまう患者もいるといわれています。治療効率の向上と治療継続が高血圧治療の重要な課題といえます。

Hypertension Plusは、年齢や人種、合併症などにより降圧薬(血圧を下げる薬)選択基準を定めている英国国立医療技術評価機構(NICE)が定める高血圧ガイドラインに準拠しており、オックスフォード大学で行われた臨床研究で降圧効果を確認した在宅服薬変更プログラム(TASMINプログラム*)を採用しています。3か月分の投薬プランが提案されるので、患者は毎月の通院負荷を軽減でき、医師は診察時間の効率化を実現できます。患者が家庭で測定した血圧データや自覚症状を医師と共有することができるので、医師および医療スタッフによる投薬をオンラインで完結でき、アラート機能で継続的な服薬支援も行えます。

*TASMINプログラムは、従来の治療法適用時と比較した場合、12か月後の降圧効果は収縮期血圧において4.7mmHgの有意差が確認されています。
Lancet.2018Mar10;391(10124):949-959.
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)30309-X/fulltext

医師向け管理画面①
画面左:血圧レベルに応じて色分けされた患者リスト
画面中央:医師へのタスクリスト
画面右:患者ごとの血圧グラフとデータ

医師向け管理画面②
画面左:患者の登録情報
画面中央:3か月分の投薬プラン提案

患者用スマートフォンアプリ画面
左:服薬時間や血圧測定時間など、1日の血圧治療スケジュールを表示
中央:血圧管理画面。血圧の値やグラフを表示
右:投薬プラン画面。過去の投薬プランや服薬状況を表示

患者用スマートフォンアプリ画面

服薬時間や血圧測定時間など、
1日の血圧治療スケジュールを表示

血圧管理画面。
血圧の値やグラフを表示

投薬プラン画面。
過去の投薬プランや服薬状況を表示

Hypertension Plus 紹介サイト
https://www.omron-healthcare.co.uk/hypertensionplus/

<使用イメージ>
  • 医師はHypertensionPlus使用を指示、患者はアプリをダウンロード。
  • 血圧を測定し、アプリに血圧値を入力。
  • 医師は、血圧データを基に提案された投薬内容を確認し決定。患者はアプリ上で確認。
    ※薬の受け取りは医療機関の運用に準ずる。
  • 患者は、測定結果や投薬内容を確認。医師は、投薬後の血圧値から、投薬変更の要否を判断。

“HeartVoice”「企業健診からオンライン診療まで」
ワンストップで提供するサービス
(シンガポール)

シンガポールでは、アジアにおけるコーポレートウェルネス事業(従業員向け健康維持サービス)とオンライン診療事業の立上げを推進しています。2019年に政府系スポーツセンター予約システムを提供するiAPPS社と合弁会社HeartVoiceを設立し、企業向けの健康診断プログラムからオンライン診療サービスまで提供するサービス“HEARTVOICE”の提供を開始しました。
企業健診などで、高血圧症をはじめとした生活習慣病リスクがある社員を早期に発見し、健康状態に応じて健康増進コンテンツや慢性疾患改善プログラムの提供や、オンライン診療サービスで医師の診断を受けることができます。また、健康状態の改善度合いに応じてクーポン券が発行されるなど、健康管理の継続を促す機能も提供されています。さらに、HeartVoice社が運営するクリニックも開設され、企業健診を受ける機会が無い方や通院患者へのサービス提供も進めています。

'HeartVoice全体イメージ

血圧計グローバル累計販売台数3億台突破

Going for ZERO ~脳・心血管疾患の発症ゼロを目指して~