THEME 01

「血圧×心電図」で挑む、
脳・心血管疾患の早期発見

過去50年間、私たちは健康管理や高血圧治療に役立つ「家庭血圧測定の普及」を図ることで、「ゼロイベント」の実現をめざしてきました。半世紀にわたる実績を土台に、この取組をさらに加速させたい。そんな想いを原動力に、私たちが打ち出す次なる一手は、「家庭での心電図記録の普及」です。オムロンヘルスケアは、心電計付き上腕式血圧計や携帯型心電計をグローバルで展開し、心原性脳梗塞の要因とされる「心房細動」を察知することで、イベントの早期発見と重症化予防をサポートします。

高血圧患者の「心房細動」早期発見に挑戦

約3倍ともいわれる、高血圧患者の心房細動発症リスク

「心原性脳梗塞」にもつながり得る「心房細動」の要因は、高血圧などの生活習慣病だとされています。それを裏付けるのが、2019年~2020年、65歳以上の男女1,605人を対象に実施された心房細動記録モニター調査。1回の心電図記録による心房細動検出率が、全体で0.93%、高血圧患者で1.59%、高血圧でない人で0.51%となった結果から、高血圧患者はそうでない人の約3倍、心房細動になるリスクが高いことが分かります。

高血圧患者の心房細動発症リスク
高血圧患者の心房細動発症リスク グラフ 高血圧患者の心房細動発症リスク グラフ
出展元:Senoo K, Yukawa A, Ohkura T, et al. Screening for untreated atrial fibrillation in the elderly population:
A community-based study. Pizzi C, ed. PLoS ONE. 2022;17(6):e0269506.

家庭での心電図記録が、早期発見の助けに

また、心房細動の疑いがある人を対象に行われたこの調査では、14日間連続で対象者心電図の記録を実施。24時間ホルター心電図で記録を取るよりも、毎日心電図を記録した場合の方が、心房細動やその他の不整脈の検出率が有意に上昇したことが報告されています。
つまり、家庭で心電図を記録する習慣を持つことが、心房細動をはじめとする不整脈の早期発見の可能性を高めてくれるのです。

家庭での心電図記録による心房細動検出率
  • 特異的不整脈 グラフ 特異的不整脈 グラフ
  • 発作性不整脈 グラフ 発作性不整脈 グラフ
Acta Cardiol Sin. 2020 May:36(3):251-259

高血圧患者の「心房細動」の予防に挑戦

血圧と心電図を一緒に測定、アプリで解析
<心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T>

HCR-7800Tは、家庭での血圧測定と一緒に心電図を記録できる上腕式血圧計です。腕にカフを巻いて両手の指先で機器の電極に触れると、血圧測定と心電図記録を開始します。測定が終わると、高血圧や心房細動の予防・治療に役立つデータを日常的かつ正確に収集することができます。
測定した血圧値や心電図データは、スマートフォンアプリ”OMRON connect”に自動で転送されます。”OMRON connect”では、心電図波形を解析し、「心房細動の可能性」など6種類のメッセージで結果をお知らせします。

HCR-7800T
心電計付き上腕式血圧計 HCR-7800T
カフを巻き、機器に両手の親指を置くだけで測定が完了
データはアプリで自動的に管理
  • アプリ画面
  • アプリ画面
  • ※本製品は医師や医療関係者の指示により購入できる特定保守管理医療機器です
  • ※医療機器承認番号:30400BZ00028000

「心房細動」の小さな予兆を
見逃さないために

心房細動とは

心臓の拍動は、“発電所”の役割を果たす「洞結節(どうけっせつ)」からの電気信号によってコントロールされていますが、心房細動では洞結節以外のところから無秩序に電気信号が発生して、心房が不規則に震え、正常な拍動ができなくなってしまいます。

心房細動が起きる仕組み
心房細動が起きる仕組み 図 心房細動が起きる仕組み 図

心房細動による脳卒中リスクは約5倍

心房細動が起こると心房内の血液はよどみ、血栓が発生しやすい状態に。発生した血栓が血流に乗って脳に達すると、「心原性脳塞栓症」と呼ばれる脳卒中を引き起こす可能性があります。「心原性脳塞栓症」は命に関わる場合が多く、一命をとりとめたとしても、麻痺や寝たきりなど重い後遺症が残ることも。こういった脳卒中を起こすリスクが約5倍に高まるというデータからも、心房細動の早期発見・予防の重要性が理解できます。

心房細動と脳梗塞(心原性脳塞栓症)
心房細動と脳梗塞(心原性脳塞栓症) 図
心房細動の脳卒中リスク
心房細動の脳卒中リスク グラフ 心房細動の脳卒中リスク グラフ

「心房細動」は、無症状が多く、早期発見が難しい一面も

多くの場合が無症状であり、発覚しにくいことも心房細動の特徴のひとつ。動悸や息切れ、めまい、疲れやすさなどが出ることもありますが、そういった軽微な症状はすぐに治まることが多く、約4割の方は自覚症状が全くないとさえ言われています。だからこそ、年に1、2回の健康診断で見つけることが難しい疾患なのです。

心房細動の自覚症状
心房細動の自覚症状 グラフ 心房細動の自覚症状 グラフ

外出先でも、手軽に心電図を確認
<携帯型心電計 HCG-8060T>

脳卒中のリスクを高める一方で、発見されにくいという特徴もある心房細動。その早期治療を可能にするためにオムロンヘルスケアがグローバルで展開しているのが、携帯型心電計HCG-8060Tです。持ち運びやすいコンパクトな心電計となっていて、気になる症状が出た際は、いつでもどこでも測定が可能。1誘導と6誘導、2種類の心電図を記録できます。
測定した心電図の情報はスマートフォンアプリ“OMRON connect”に自動で転送されます。“OMRON connect”では、心電図波形を解析し心房細動の可能性など6種類のメッセージを表示。記録した心電図を医師が判読することで、1誘導のデータからは心房細動を、6誘導のデータからは心房細動以外のさまざまな不整脈を確認することも可能です。

HCG-8060T
携帯型心電計 HCG-8060T
1誘導の場合
  • 記録方法
    記録方法
  • 心電図イメージ
    心電図イメージ
6誘導の場合
  • 記録方法
    記録方法
  • 心電図イメージ
    心電図イメージ

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