
目次
「痛いと緩めてしまいがちな筋肉疲労のケアも、低周波ならしっかりできます」
屋外のグラウンドで手を使わずにボールを奪い合い、1試合中の走行距離が10kmに及ぶこともあるというサッカー。キックとヘディングが中心となるプレーは、自ずと脚部への負荷がかかりやすくなります。スピードと強さの両方が求められる競技だけに、ケガの予防と試合や練習後のアフターケアが重要となります。
入団6年目の守屋都弥選手は、2018年の右膝の前十字靭帯断裂をきっかけに体の見直しに取り組んでいます。
「ケガをしたのは右足でしたが、実は左足に疲労が溜まっていて、右足が左足をかばっているうちに限界がきてしまったんです。痛みのあるところだけでなく、どこが原因となっているのかを自分で探りながらケアをするようになりました」
ディフェンダーという守備的なポジションで、相手の選手を止めるためにタックルをしたり、相手選手とボールを競り合うなど、接触プレーも多い守屋さん。
「タックルに行くための踏み込みや、ボールを取りに行ってジャンプをした時の着地などで膝に負担がかかります。トレーナーの方にマッサージをしてもらったり、自分でケアグッズを用いたりして、気をつけています」
守屋さんは昨年の11月、右足の腿の前側が肉離れになった時に、トレーナーの勧めで初めて低周波治療器を試したそうです。
「ロングキックやパススピードのアップを求められていた時期で、足を使いすぎていたようです。痛みのある腿の前側をマイクロカレントでケアしました。練習後のアイシングが終わったあとに30分ほどかけて、さらにトレーナーのケアを受けたのち自宅に持ち帰って30分ほどかけていました。痛みが落ち着くまで4週間近く使い続けました。パッドを当てているところがじわーっとする感じで、痛くないのも良かったです」
さらにヘディングで力が入り凝ってしまう首には筋肉をほぐす治療モードを使用。ジャンプなどで負担がかかりやすく疲労がたまった膝にも使っていました。
「ストレッチポールでもケアをしていますが、疲労がたまってくると痛くてつい、自分では制御してしまうんです。低周波治療器は、痛みもなく継続的にケアすることができました。疲労がたまると筋肉が硬くなってくるので周囲をほぐすように、弱めのモードで30分ほどかけました」
低周波治療器のモードや強弱の多様さに魅力を感じたという守屋さん。凝りや張りには我慢できるくらいの強度で、継続して治療した方が良いと考えています。
「筋肉への働きかけの仕組みを理解していたので、不安はありませんでした」
2015年にジェフユナイテッド市原・千葉レディースに入団し、20年にINAC神戸に移籍した西川彩華さんは、15年から19年までは大学生活とサッカーを両立していました。
「リーグ1年目から試合に出ていたのですが、大学生活もあり、あまりケアの時間を取ることができませんでした。ですが、肉離れなど筋肉系のケガが多くなり、これを機にケアを意識するようになりました。小さな肉離れを繰り返しているので、プレーをしながら治療をするという状況です」
ケガをした当初は、患部のみをケアして痛みを軽減しようとしていたという西川さん。やがてトレーナーや周囲のアドバイスから、股関節の可動域が狭いことがケガにつながっているとわかり、ストレッチなどに取り組み柔軟性の改善に努めてきました。
試合後のアイシング、超音波治療、マッサージや鍼治療などを行う中、低周波治療器を使用したのは昨シーズンのこと。右腿の外側の筋肉を痛めそうだった時に、トレーナーの勧めで使い始めました。
「相手の足先が腿に当たって打撲のようになっていたところ、チームで使っていたので勧められました。大学でスポーツ科学を専攻していたことから低周波治療についても知見があり、筋肉にどのように作用するかもわかっていたので、不安もなくすぐに使ってみようと思いました。マイクロカレントを練習後に10分ほど。それから寝る前にも長めに当てるようにしていました。じわーっとくる程度の電流で、あまり治療をしているという感覚はありませんでした。痛みがやわらぐまで1ヶ月ほど使用。思ったよりも早く違和感がなくなったように感じました」
接触プレーの多いサッカーでは打撲などの小さなケガは日常的で、動ける限りはプレーを続けます。とはいえ、痛みがあればプレーにも支障が出るので、痛みや違和感は早めにケアすることがパフォーマンスの向上に欠かせません。低周波治療器の使用は、西川さんが感じ取った違和感の緩和に一役買ったようです。
貼るだけで治療できる簡単さは、継続的なセルフケアに有効
新しく発足するプロリーグでは、プロ契約選手となり、練習や体のケアにかける時間などの条件はどのチームも同じとなります。それだけに、各選手とも体調管理に万全を期すためにそれぞれ工夫をしています。
西川さんは大学で学んだ栄養学も活かしながら、食生活面も改善していきたいと努めています。
「普段は、トレーニング後にアイシングなどをした後、近くの温泉に行ってリラックスするようにしています。試合や練習後にどれだけ回復できるかがとても重要ですから。私は筋肉系のケガが多いので、少しでも違和感が出たら早めにケアするよう心がけています。今後も筋肉のハリや違和感を感じたら、低周波治療器を使っていきたいですね」
守屋さんはクラブハウスで低周波治療器を使っている選手と情報交換もしています。
「同期の選手は腿が張るので腿の裏側に貼って使用していました。私も最初は痛みに対して使っていましたが、その後は痛くなりそうなところに使うようにもなりました。ウェイトトレーニングの後など、筋肉痛になってからだと筋肉をほぐすのに痛くてつらいのでそうなる前に使いました」
筋肉の痛みをやわらげたりほぐしたりと幅広く使えることに加えて、使用方法の簡単さも大きなメリットだと言います。
「ストレッチポールは自分で動かさなければなりませんが、低周波治療器は貼るだけでいいので苦になりません。試合の後などは疲れが溜まっていて、自宅に帰ってからストレッチポールなどでケアをするのは、結構大変ですから。家では、テレビを見たりしてリラックスしながら使っていました。試合後のケアは、トレーナーにも相談しますが、基本的には各自の感覚で行うもの。肉離れの防止や疲労回復のためにも、家でできることは続けていきたいと思います」
広いグランドを走り回るサッカーは、ポジションやプレースタイルによって筋肉の疲労度合いや箇所も人それぞれに異なるでしょう。どんな場所にも貼るだけで使える低周波治療器は、プロ・アマを問わず、良いコンディションでプレーするための“道具”の一つとも言えるのではないでしょうか。
<団体紹介>

INAC神戸レオネッサ

守屋 都弥さん
ポジション:DF(ディフェンダー)
生年月日:1996年8月22日
出身地:奈良県
身長/体重:164cm/54kg
経歴:JFAアカデミー福島 – 2015年~ INAC神戸レオネッサ

西川 彩華さん
ポジション:MF(ミッドフィールダー)
生年月日:1996年4月2日
出身地:神奈川県
身長/体重:166cm/58kg
経歴:常盤木学園高 – 2015~2019年 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース – 2020年~ INAC神戸レオネッサ
写真提供:INAC神戸レオネッサ