血圧脈波検査装置
BP-203RPEIII

PWVを正確に評価するためには、下記の条項を確認する必要がある。

  • (1)心電図上で不整脈の有無を確認する
  • (2)脊柱の弯曲や腹部大動脈の弯曲が顕著な場合、実際に脈波が伝播する距離が計測される距離より長いため、過小評価された脈波速度測定値となる
  • (3)上腕の血圧と左右差、足首の血圧と左右差、足関節上腕血圧比(ankle-brachial index:ABI)と左右差をみる
  • (4)(3)において、心房細動や末梢動脈閉塞症などの患者では脈波の計測が不正確になり、計測値が正しくリスクを反映しないことが多々あるので十分考慮する必要がある。いずれにしても、baPWVが臨床評価に値するか否かを波形の形状から確認することが必要である

脈波伝搬距離の決定に際し、動脈の病的蛇行は想定していない。したがって、健常人データをもとに算出された公式に基づく脈波伝搬距離は、病的に蛇行した動脈を有する患者では過小評価することになる。すなわち、このような患者では、実際のPWV値は計測値より幾分高いという認識をもつ必要がある。

出所:血管不全の生理学的診断指針(編集 日本循環器学会 日本血管不全学会)