ニュースリリース

ABCクッキングスタジオ、オムロン ヘルスケア、ドコモ・ヘルスケアの3社が協力
「女性のカラダ・ミカタ宣言」第一弾プログラム実施報告

~食生活や女性ホルモンについて知ることで、食事内容の改善やPMS症状の軽減に効果~
その他

女性のカラダ・ミカタ宣言コンソーシアム
株式会社ABC Cooking Studio
オムロン ヘルスケア株式会社
ドコモ・ヘルスケア株式会社

株式会社ABC Cooking Studio(以下ABC)、オムロン ヘルスケア株式会社(以下オムロン ヘルスケア)、ドコモ・ヘルスケア株式会社(以下ドコモ・ヘルスケア)は、働く女性の健康状態の維持・向上に貢献することをめざし、「女性のカラダ・ミカタ宣言」コンソーシアムを2015年10月に設立しました。第一弾の取り組みとして2015年11月から約3ヶ月間、20代~30代の働く女性33名を対象に実施した、『いつかママになるためのカラダづくり』プログラムの成果を、女性健康週間(3月1日~8日)に合わせて発表いたします。

今回のプログラムでは、全3回のワークショップを開催※1。専門家による妊活に関する食事や生活習慣の講義やABCによる栄養に関する講義と調理デモンストレーションを行ったほか、体重やBMIなどの体組成測定や⾷物摂取頻度調査(FFQg)、⽣活習慣や体調に関する調査などを実施しました。また、参加者には約3ヶ月間にわたりオムロン ヘルスケアの婦人用電子体温計 MC-652LCと、ドコモ・ヘルスケアのアプリ「カラダのキモチ®※2」を使って、毎朝基礎体温を測定しアプリに記録していただき、月経周期に沿ったアドバイスや、自分のカラダの状況を知るきっかけづくりを行いました。

■3人に1人が月経周期に異常あり。女性のセルフケア管理として、まず体組成や基礎体温計測の習慣を。

参加者が測定した基礎体温データを分析した結果、測定データから排卵していることが推定できる17名のうち、月経周期が正常で綺麗な二相性の基礎体温パターンを示した人(正常群)は約67%と、3人に1人の割合で異常が見られました。
正常群と異常群を比較すると、正常群の方が異常群に比べて一日に必要な栄養量を摂取している「エネルギー充足率」が約19%高いことがわかりました。また、体組成データの比較では、異常群の方が体重やBMIが有意に高く、肥満傾向であることがわかりました。肥満を伴う月経異常は、卵子をうまく排出できない婦人科疾患である「多嚢胞性卵巣症候群(PCO)」の可能性もあり、不妊の原因の一つでもあるため、早めに婦人科を受診し、適切な指導・治療を受けることが重要となります。自分の体格と基礎体温を知ることは、女性のセルフケア管理として重要です。

■正しい知識を得たことをきっかけに、意識変容、行動変容へ。

ワークショップを通じて正しい食事に関する知識を得ることで、参加者の多くが自分の食生活を客観的に正しく評価できるようになりました。
プログラム開始前には、参加者には全体的にエネルギー摂取不足にあるという傾向が高くみられましたが、プログラム終了後には約48%の人のエネルギー摂取量が増えるという改善につながりました。またワークショップを通じて女性ホルモンが心身に与える影響に関する知識を得たり、アプリ「カラダのキモチ」の月経周期に沿ったアドバイスや基礎体温グラフを通じて自分の体の状況を確認することができました。それにより、「イライラしやすい時期」や「からだがむくみやすい時期」などを事前に把握でき、症状に振り回されずストレスが軽減したり、事前に症状への対策をとることにより月経前症候群(PMS)などによる不調が軽減されたという声も実施後のアンケートであげられました。

■今後の取り組み ~情報発信とソリューションの磨き上げ~

今回の第一弾プログラムの結果から、正しい食生活や女性ホルモンに関する知識を得ることが、女性の意識変容や行動変容につながることがわかったため、引き続き3社で女性のカラダに関する情報発信を行います。
情報発信には、新たに開設した「女性のカラダ・ミカタ宣言」のFacebookページを活用していきます。
また食生活や心身の不調に対応するためのソリューションとして、各社が従来より女性向けに提供しているヘルスケアサービスや商品をさらに磨き上げ、働く女性の健康状態の維持・向上に貢献していきます。

  • ※1ワークショップ内容
    第1回 11月21日: 「妊活と⾷事バランス 」
    第2回 12月12日: 「妊活と睡眠」  講師:順天堂大学医学部 小児科所属  本田 由佳先生
    第3回 1月23日: 「妊活と冷え」  講師:ホリスティックビューティインストラクター 看護師 櫻井 由希子先生
  • ※2「カラダのキモチ」は、ドコモ・ヘルスケア株式会社の登録商標です。

詳細は、次のとおりです。

調査結果詳細

1. 月経周期、体組成について

参加者が測定した基礎体温データを分析した結果、測定データから排卵していることが推定できる17名のうち、月経周期が正常で綺麗な二相性の基礎体温パターンを示した人は約67%(正常群)でした。正常群と、異常群を比較すると、正常群の方が異常群に比べてエネルギー充足率が約19%高いことがわかりました。中でも、炭水化物、レチノールの摂取量が高いという結果となりました。
また、体組成データの比較では、異常群の方が体重やBMIが有意に高く、肥満傾向であることがわかりました。ダイエットなどを繰り返すと、基礎代謝が下がり、省エネな身体になり、太りやすくなると言われています。さらに、肥満を伴う月経異常は、卵子をうまく排出できない婦人科疾患である「多嚢胞性卵巣症候群(PCO)」の可能性もあり、不妊の原因の一つでもあるため、早めに婦人科を受診し、適切な指導・治療を受けることが重要となります。自分の体格と基礎体温を知ることは、女性のセルフケア管理として重要です。

<参加者の月経周期分類>

参加者のうち、測定した基礎体温データから排卵していると推定できる17名のデータを分析した結果、
月経周期が正常な正常群(12名)と異常群(5名)の2群に分類することができた。

<参加者の月経周期分類>

<月経周期正常群/異常群ごとのエネルギー摂取状況・体組成比較>

<月経周期正常群/異常群ごとのエネルギー摂取状況・体組成比較>

  • n=13(第1回ワークショップに参加した人のうち、測定した基礎体温データから排卵していることが推定でき、かつ栄養調査が確認できた人数)

2. 食事摂取状況について

第1回目のワークショップ参加時点では参加者の約95%がエネルギー摂取量不足の状態にあり、食物繊維および鉄分は100%が不足、カルシウムは81%が不足、塩分や脂質は半数以上が過剰摂取状態にあることがわかりました。その一方、意識調査の結果では76%の参加者がバランスのよい食事を「だいたい取れている」、「十分に取れている」と考えており、意識と実際の食事摂取状況には差があることがわかりました。
第3回目のワークショップ時に実施した調査では、参加者の約48%にエネルギー摂取量の改善が見られ、食生活習慣の改善にもつながったことがわかりました。また、意識調査ではバランスのよい食事が「取れていない」と考えた人は2倍以上増加し、自分の食生活を客観的に正しく評価できるようになったと考えられます。

<参加者の平均摂取エネルギー:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015 年版)によると、女性に必要な1日の摂取エネルギーは、身体活動レベルが「ふつう」の18~29歳女性では1950kcal、30~49歳女性では2000kcalとされているが、第1回目のワークショップ参加時点では参加者の平均摂取エネルギーは1597.1kcalと大きな差が見られた。プログラムへの参加の結果、2ヶ月後に実施した第3回目のワークショップ参加時点では平均1727.5kcalまで改善した。

<参加者の平均摂取エネルギー:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

<参加者の食事傾向:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

<参加者の食事傾向:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

<参加者の食事バランスへの意識:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

<参加者の食事バランスへの意識:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較>

3. 自分の体に関する知識レベルと行動の変化について

毎日基礎体温を計測することには、月経周期の異常を知る以外にも、日々のホルモンバランスの状態を把握することで適切な過ごし方ができるという大きなメリットがあります。参加者には、ワークショップやアプリからのアドバイスで女性ホルモンが心身に与える影響についての知識を得たことで、ポジティブな行動変化が見られました。
プログラム実施後に行った参加者アンケートでは、「ホルモン周期から、イライラや調子が分かるので気持ちの揺らぎを客観的に見ることができた」、「月経前のドカ食いはホルモンのせいだと気付き、コントロールすることができました」などという声が寄せられました。

<女性ホルモンや基礎体温への知識レベルの変化(第3回目のワークショップ時実施アンケートより)>

<女性ホルモンや基礎体温への知識レベルの変化(第3回目のワークショップ時実施アンケートより)>

【調査協力】

  • 順天堂大学医学部 非常勤助教 本田 由佳 先生(健康医学者/博士(医学))
  • 産科婦人科舘出張 佐藤病院 院長 佐藤 雄一先生(産婦人科医/博士(医学))