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vol.83 片頭痛に帯状疱疹ウイルスが関与!

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Vol.83 片頭痛に帯状疱疹ウイルスが関与! “慢性頭痛”と呼ばれていた頭痛は、今、『1次性頭痛』といわれ、悩める患者は3970万人ともいわれています。その1次性頭痛の代表は『緊張型頭痛』『片頭痛』『群発頭痛』。その中の片頭痛と群発頭痛には、何と帯状疱疹ウイルスが関係しているケースのあることが分かり、注目を集めています。
そこで、帯状疱疹ウイルスが関係している頭痛の治療も変わり始めています。
注目を集める発表を行ったのは、東京女子医大頭痛外来の清水俊彦講師グループです。2007年、スウェーデンで開催された国際頭痛学会で、「アロディニアを伴う片頭痛には帯状疱疹ウイルスが関係している」という新説を発表しました。
アロディニアとは片頭痛、群発頭痛の発作のごく初期に目の周囲や頭皮、腕などに生じる皮膚の違和感(髪の毛が逆立つような感覚)。日本語では「異痛症」といい、日本人の片頭痛、群発頭痛患者の60~80%に発現します。
清水講師は片頭痛患者さんを診ていて、帯状疱疹の発症後、片頭痛の際のアロディニアがより強くなるのに気づいたといいます。そこで、実際にアロディニアと帯状疱疹ウイルスとの関係を片頭痛の患者さん116人を対象に調査。そうすると、体内で帯状疱疹ウイルスが再び活動していると確認された患者さんのグループは、帯状疱疹ウイルスが再活動していないグループに比べ、アロディニアの出現率が4.3倍も高かったのです。それと同時に、頭痛発作の頻度と重症度も高いことが分かりました。
つまり、片頭痛には帯状疱疹ウイルスが原因で重症化しているケースもあるのです。さらに、群発頭痛においても帯状疱疹ウイルスとの関係が明らかになってきました。
こうなると、治療の前に帯状疱疹ウイルスが再活性しているか否かを知るのは、治療の大きな助けになるのは間違いありません。
激しい頭痛で受診すると、問診後にCTもしくはMRI検査を行って、聴神経腫瘍などの深刻な病気が隠れていないかをチェックし、片頭痛、群発頭痛と診断されると、特定の患者さんには血液検査で「帯状疱疹ウイルスの抗体価」を測定するのです。
その特定の患者さんとは、アロディニア症状があり、さらに頭痛の程度が重症、また、耳鳴りや難聴をきたしている患者さんです。
神経には“ゴールデンアワー”というウイルスに損傷されても適切な治療で早くに修復できる期間があります。ただし、それは発症後わずか1週間以内です。それをすぎるとダメージを受けた神経は回復のスピードが極端に遅くなってしまいます。帯状疱疹ウイルスの関与が疑われる場合は、ゴールデンアワーを逃がさないためにも治療は急がれます。そのため、すぐに抗ウイルス薬のバルトレックスが使われます。
重度の頭痛の際に、アロディニア(異痛症)を伴う場合は、主治医と相談して、帯状疱疹ウイルスの検査を行ってみては、いかがでしょうか。

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