
アスリートのコンディションを維持し、全力で試合や練習に臨めるような指導、サポートを行うのがトレーナーの役目。今回は「リカバリーケア」に焦点を当て、サンロッカーズ渋谷の小林健太朗トレーナー、原田聖也アスレティックトレーナーにお話を伺いました。国内最高峰のB.LEAGUEで活躍する選手たちは日々、最高のパフォーマンスを発揮して競い合います。そんな選手たちを陰で支えるのが2人のお仕事です。
「選手ファースト」は選手を知ることから始まる
「原田アスレティックトレーナー(AT)はリハビリを中心に担当し、私はそれ以外のリカバリーケアやコンディショニング、あとはメンタル面の相談を主に担っています。といってもメンタルコーチは他にいますから、選手の身体をケアしながら、選手たちが気にしていることを聞き出すようにしています」
そう語るのは、小林トレーナー(T)。原田ATとともに今季からチームスタッフとしてサンロッカーズ渋谷に加わりました。選手にとってトレーナーから受けるケアはとても重要なものですが、身体的なケアを施すだけでなく心をゆるせる存在になっているようです。
「我々が新任ということもあり、最優先したのは選手個々のパーソナリティを理解すること。性格やバスケットボールに取り組む姿勢、自分の身体のことをどこまで把握しているのか、そういう情報をきちんとつかむように心掛けています。その上で、選手に応じたケアを行いますが、それもできるだけルーティン化できるように努めています」(小林T)
トッププロを預かるトレーナーは選手のことを第一に考える。当たり前のようでありながら、細心の注意を払って選手に接するトレーナーの仕事の難しさを感じます。
原田ATによれば、「私が接する選手は、(リハビリを必要とする)マイナス要素を持っています。回復の段階に応じて『ここは励まそう』『ここは無理をさせないにしよう』と、選手の様子を見ながら声かけをします。自分の考えだけで行わず、エビデンスや客観的なデータを提示するように気をつけています」と、トレーナー自身が日々、新しい情報に触れることが欠かせません。