自ら行う手技と最新機器の併用で効果絶大
B.LEAGUEや他のリーグで、スタッフとしてのキャリアを積み上げて来た2人ですが、チームのプレースタイルによってケアやリカバリーのやり方は違うと言います。例えばあるチームは、主力選手のプレータイムが長く、それほど試合に出ない選手がいる……その場合、ケアは主力選手に集中すればよい、となります。ところがサンロッカーズ渋谷の場合は違います。
「ウチのチームはどんどんフレッシュな選手がコートインするスタイルですから、みんなが同じぐらいのプレータイムで偏りがありません。それが奏を功して勝率を上げているのですが、我々にとっては課題というか、テーマのひとつになるのが試合後のケアです。プレータイムだけで判断すると『全員ケアをしましょう』となります。12人の選手を手分けして6人ずつ、1人30分だったとしても3時間はかかります。これがナイトゲームとなると、午後9時過ぎまで試合を行い、10時にホテルに帰れるかどうか……夕食を摂り、入浴してから『さぁケアです』、となっても最後の選手は深夜2時、3時になることもありますから」(小林T)
そこで重要になるのが、前述の「選手のパーソナリティ」の理解。選手の身体のことをトレーナーとして把握しておけば、「この選手は少し疲れているみたいだから優先的にケアしよう」とか「この選手は元気そうだったから、セルフケアでリカバリーできるだろう」と相談しながら判断できるとのこと。そこで、低周波治療器などを使いながら、選手たち自身が行うこともあるそうです。低周波治療器を使えば、選手が好きなタイミングでケアができます。トレーナーの手が空いていない時でもリカバリーケアができることはトレーナーの手助けにもなっているようです。