プロ・実業団アスリート

海外で痛感したセルフコンディショニングの重要性(後編)(1 ⁄ 3)

Siori Yasuma
Basketball

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2021年夏、日本から単身でドイツへ移籍し、昨年6月からはイタリアで奮闘している女子バスケットボール選手がいます。現在、28歳。日本代表でのプレー経験もある安間志織。161cmの小さなガードはいかにして異国の地で多くの壁を乗り越え、ヨーロッパの第一線で活躍しているのか。プロアスリートとして、海外で生き残っていく術などを本人に聞きました。

日本人の技術は欧州でも通用する

初めての海外生活で最初に苦労したのは言葉の壁です。安間選手は国外移籍を視野に入れ、きたる日に備えて、日本で英語のクラスに通うなど準備していたものの、現実は厳しかったと言います。
「学校で習う英語と日常の話し言葉は、かなり違いました。コートの内外でチームメイトには助けてもらいましたが、すべて理解できたわけではありません。通訳がいないなか、ドイツの1年目は周囲が何を言っているのか、ほとんど分からなかった状態でした」
それでも、逃げ出すことはなかった。7歳からバスケットボール一筋で技を磨いてきた安間選手は、コート内で結果を出すことに力を注ぎました。そして、所属していたドイツのアイスフォーゲルUSCフライブルクでは獅子奮迅の活躍を見せます。
「レベルがそこまで高くなかったこともありますが、自由にプレーさせてもらいました。海外の選手は自己主張が強いので、そこで引かないことも大事です。日本人選手の技術レベルがあれば、ヨーロッパでも十分に通用すると思います」
ドイツのリーグで戦う選手たちのサイズは、ひと回りも二回りも大きかったのですが、苦にはなりませんでした。むしろ、161cmのガードは類まれな技術力とスピードで圧倒的な存在感を示します。2021-22シーズンは所属しているフライブルクをリーグ優勝に導き、自身もMVPを獲得。小さな日本人選手の働きぶりはすぐにヨーロッパ中に知れ渡り、強豪クラブからオファーが舞い込んできました。

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