1日2時間弱はセルフケアに費やす
22年6月、イタリアのウマナ・レイェ・ヴェネツィアへ移籍。世界各国の代表が集うリーグです。ドイツ時代のように個人で圧倒するのは簡単ではありません。司令塔のポイントガードとして、コート内で仲間を動かすプレーも欠かせません。
「練習からコーチが確認してくれ、チームメイトたちも私を巻き込むように声をかけてくれますが、イタリアではこれまで以上にチームメイト、コーチングスタッフとコミュニケーションを取るようにしました。わからなければ、必ず聞き返します。コート外でも自分から積極的に仲間と食事に行くなど、お互いを理解するように努めています」
イタリアリーグのレベルは、ドイツよりも数段上。体格差を補うための練習も強化しています。190cmを越える選手たちと対等に渡り合うために、自らの武器に磨きをかける努力は怠りません。
「持ち味のスピードを生かした、素早い攻守の切り替えは私の強み。日本にいる頃から週2回はフィジカルトレーニングに励み、アジリティを高めています」
縦28m、横15mのコートを縦横無尽に動き回っています。ストップ・アンド・ゴーを繰り返せば、足腰への負担は大きくなります。Wリーグのトヨタ自動車アンテロープスでプレーしているときは専属トレーナーに頼めば、毎日のようにマッサージを受けることができましたが、ヨーロッパの環境は違います。
「頻繁にマッサージを受けることはできません。だからこそ、セルフケアは大事。オムロンの低周波治療器も使わせてもらっています。特に腰などは一人でほぐしたりはできないので、重宝しています。練習と試合が立て込み、タイトなスケジュールになることも多いです。オフが2週間ないことも珍しくありません。完全な休養日がなかなか取れないので、空いている時間に疲労をできるだけ抜かないといけないんです。そうしないと、1シーズン、身体がもちません。海外でプレーするようになり、セルフコンディショングの重要性を痛感していますね」
今年7月に29歳を迎える安間選手はチーム最年長。年齢を重ねたことで、自らの身体と向き合う意識がより高くなってきました。起床してまずストレッチを30分程度こなし、練習前にも自宅で筋肉をほぐします。疲労が残りやすい太もも裏の筋肉はオムロンの低周波治療器でケアし、次はオイルマッサージ。練習後に自宅に戻れば、また同じ作業を繰り返すことも多いです。1日に2時間弱は、セルフケアに費やしています。
「正直、大学まではそこまで身体に気を使わなくても、まったく問題がなかったんです。昔から肉離れ、シンスプリントなどのケガをした記憶もありません。ただWリーグ、海外のリーグでプレーするようになり、練習、試合の強度が上がり、疲労も溜まりやすくなりました。セルフケアをしっかりしなければ、パフォーマンスを維持するのは難しくなってきます」