女性アスリート

学生アスリートの月経との向き合い方(3 ⁄ 3)

Tokyo Women's College of Physical Education
Handball

目次

「日頃から基礎体温を測ります」(選手)

セミナーを受講した選手たちは、初めて知る情報も多かったようです。キャプテンの植松花乃選手は、無月経の状態が続くことがあっても、気にも留めていませんでした。
「特にパフォーマンスに影響を及ぼしていなかったので、大丈夫だろうと自分のなかで判断していました。でも、無月経は婦人科に行ったほうがいいんですね。疲労骨折などにつながるリスクをはらんでいるのは知らなかったです」
植松選手は月経痛に苦しむことはほんどなく、昔を振り返ってもコンディションの低下を招いた記憶はありません。小学校2年生からハンドボール一筋。中高生年代のときも月経を気にすることなく、コートでボールを追いかけてきました。幼少期はシュートを決めるだけで楽しかったものの、年齢を重ねるたびにチームスポーツの醍醐味を感じるようになってきたと言います。
「仲間と協力して点を取ったり、守ったりして勝利をつかむと、何物にも代えがたい達成感を味わえます。くじけることはあっても、ハンドボールを辞めたいと思ったことはありません」
大学3年時にヒザの前十字靭帯を断裂する大ケガを負ったが、辛いリハビリ生活を経て戦列に復帰。最終学年を迎えた2022年もインカレに出場し、ベスト4の成績を残しました。今春の大学卒業後も、実業団のオムロン女子ハンドボール部『ピンディーズ』で競技を続けます。
「まずはレベルの高いチームに入って行けるように頑張ります」
同じ実業団入りが内定している同期の宮迫愛海選手は、隣で大きく頷いていました。高校時代までは大分で育ち、幼い頃から隣県の熊本県山鹿市に本拠地を置く『ピンディーズ』に憧れを抱いていたと言います。中高生時代に山鹿市総合体育館まで足を運び、観客席から声援を送ったことは今でも忘れていません。
「あのピンディーズのユニホームを着られることがうれしくて。中高生だった頃、コートで躍動する実業団の選手たちに憧れていたように、次は私が子どもたちから応援されるようなプレーヤーになりたいと思っています」
トップアスリートとして、一線で戦っていくためにもセルフコンディショニングは欠かせません。宮迫選手自身、月経異常を自覚しています。1カ月に2回くることも珍しくなく、出血量が多くて、腹痛に悩まされてきました。
「これまでは生理痛がひどくても、薬を飲んで我慢するのが当たり前だと思っていました。でも、今後はいろいろと考えないといけないですね」
海外の女性アスリートたちが状況に応じてピルを服用し、月経移動させていることを初めてセミナーで聞きました。
「ピルという薬は知っていましたが、スポーツをする上での役割は理解していませんでした。これからは大事な試合に向けてコンディショニングを整える上での、1つの方法として婦人科で相談してみたいと思います」
まずは月経の周期を正確に把握し、いままで以上に体調管理に意識を向けることを誓っていました。
「日頃から基礎体温を測るようにします」
セミナーで勉強した基礎体温計の使い方から、あらためてチェックするつもりです。

<団体紹介>

東京女子体育大学ハンドボール部

公式ホームページ:https://www.twcpe.ac.jp/campuslife/club_handball.html

八尾 泰寛監督

岩城 久雄さん

トレーナー

宮迫 愛海さん

植松 花乃さん

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