痛みや疲労を感じる部分をピンポイントでケアできる
では2人は具体的にどのように低周波治療器を使っているのでしょうか。
「私は肩に使うことが多いですね。やはりポジション柄もあって相手との接触は多く、身体の逃し方が悪いと肩を持っていかれて痛めることがありますから。そうやって普段のリカバリーにプラスして低周波治療器を使うことで、痛みの消えやすさに違いがあると感じます」(初見さん)
「私は筋肉のハリが出た部分に使うことが多いです。そして現在の私は、チームではバックプレイヤー、代表ではサイドと、異なるポジションでプレーすることで、筋肉にハリが出ることが増えました。ポジションが変わると、例えばシュートのときの身体の使い方も変わり、使う筋肉も変わるので、普段は使わない筋肉に疲労が出やすくなるからです。そんなときは低周波治療器に頼っていますね」(金城さん)
その治療で得られる効果は、やはり普段のストレッチ等で得られる効果とはまた違うものだそうです。
「普段のストレッチは全身のリカバリーを目的にしたものですが、低周波治療器は痛みや疲労を感じる部分をピンポイントでケアできるのがよいなと感じています。張りがある部分に使っておくと、翌日の身体の動きがよくなるので、その点は助かっていますね。そしてハンドボールはポジションにより疲労がでやすいところ、痛めやすいところが変わるので、周囲の選手を見ていても、それぞれが違う部位のケアに低周波治療器を使っています」(金城さん)
では、今はどのようなモードで低周波治療器を使っているのでしょうか。
「今、私は強い痛みがある部位もないので、筋肉の疲労回復をサポートするモードを使用しています。筋肉のこりがほぐれやすくなるので、マッサージのような感覚で使っていますね。ちなみに、捻挫をしたチームメイトは、マイクロカレントのモードを使い、アイシングも併用して行っていました」(初見さん)
初見さんや金城さんのように、所属チームと日本代表の両方でプレーするトッププレイヤーは、疲労の蓄積度合いも大きくなります。そして日本代表が出場する国際大会は、試合の日程がタイトなことも多いため、自分の好きなタイミングで好きな部分のケアができる低周波治療器は、非常に有効に使われているようでした。最後に日本代表選手としての今後の意気込みを二人に伺いました。
「2023年の日本代表チームはパリオリンピック(2024年)のアジア予選に出場します。女子日本代表はライバルの韓国になかなか勝てず、自国開催枠以外ではオリンピックにも出られない状況が続いています。ですので、チームとしては韓国を破り、パリオリンピックへの切符を獲得することが目標です。個人としが自分に求める役割を理解し、たとえ短い時間でも、それをしっかりコートで表現できる選手になりたいです。そして、自分のプレーでチームの流れを変えられる選手になりたいと思っています」(初見さん)
「私はサイドを主体に2つのポジションでプレーしているので、やはりそれぞれのポジションで求められるものをプレーで表現したいです。そして自分の持ち味はスピードや走力なので、苦しい状況のときこそ走ってチームを助けられる選手になり、ここぞという場面で1点を決めきられる選手になりたいです」(金城さん)
<団体紹介>
ハンドボール女子日本代表

初見 実椰子さん
生年月日:1997年9月10日
ポジション:ピボット
身長:165cm
利き腕:右

金城 ありささん
生年月日:1999年12月08日
ポジション:ライトバック
身長:160cm
利き腕:左