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技術よりも、フィジカルの強化とリカバリーケアを重視する戦い方(1 ⁄ 3)

HINOKUNI Salamanders
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熊本県初のプロ野球チーム、火の国サラマンダーズ。2021年にスタートした九州アジアリーグに初年から加わり、シーズン2連覇を達成。2022年は独立リーグのグランドチャンピオンシップでも初優勝も果たしました。独立リーグを牽引するプロチームのリカバリーケアの取り組みとは。キャッチャーの有田光輝選手、ピッチャーの石本裕大選手、内野手の松本陽雅選手の3人に伺いました。

自分に合ったケア方法でベストなコンディショニング

キャッチャーを務める有田選手は4年間の大学生活を終えて火の国サラマンダーズのトライアウトを受け、見事合格。2022年よりチームに加わりました。大学で勉学と並行して野球を続けてきた有田選手にとって、プロ野球独立リーグに所属するサラマンダーズでの野球環境はそれまでとまるで違いました。

「このチームには、一人ひとり実力があって、野球に対するしっかりした考え方を持っているメンバーが集まっています。そういうプロチームの環境で、初めての経験ばかりの1年目でした。試合数も以前より増えて、シーズン中は金、土、日と必ず試合があります。そのなかでどう疲れを取り除いていくかを意識するようになりました」(有田選手)

チームの充実したサポート体制のなかで野球に取り組み、リカバリーケアに対する考え方も大きく変わったと話します。

「学生の時は、治療してもらえるような環境にいなかったこともあって、身体が重くてもそのことを意識しないようにして、無理して続けてしまっていたところがありました。このチームに来て、無理せずしっかりと治してから練習をしようという意識に変わったかなと思います」(有田選手)

食事や睡眠、トレーナーから受ける治療にしっかり目を向けて身体をケアするようになりました。また、メンタルのケアにも気を配り、リラックスできることに取り組む時間を作っているという有田選手。
半年以上に渡ってリーグ戦が続くハードなスケジュールをこなすなかで、トレーニングもまたリカバリーの効果を果たすことを学んだのだそう。

「以前は、試合が近くなったら筋力トレーニングを控えるようにしていたのですが、筋トレをしっかりすることで疲労回復が早まるというアドバイスをいただいて。単に休むだけではなく、トレーニングをして回復を早めた状態で試合に臨むようになりました」(有田選手)

立ったり座ったりする動作が多いキャッチャーというポジションの特性もあって、有田選手がとりわけ疲労を感じる部位は腰です。セルフケアも、おのずと腰回りが中心になるとのこと。

「腰の疲れをなるべく溜めない、次の試合に持ち越さないことをいつも意識しています。腰が固まらないよう、回旋動作を取り入れたストレッチをやったり、低周波治療器を使って筋肉をほぐし、腰の状態を動きやすくしておいたり」(有田選手)

シーズンを通して腰が悪くなることが多かったため、持ち運びできて好きな時間に使える低周波治療器は有田選手を支える有効なアイテムとなったようです。

「バス移動で腰に負担がかかることが多いので、移動中に低周波治療器を使っています。試合が終わって取り組むウェイトトレーニングの後や、入浴して身体が温まったタイミングでもよく使います。いつでもケアできるものが手元にあることで、心の面でも楽にしてもらっている感じがありますね」(有田選手)

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