アマチュア

自主性を尊重する伝統が育む、高い自己管理の意識(1 ⁄ 3)

Aoyama Gakuin University Women's Volleyball Team
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試合や練習のパフォーマンスを高めるには、毎日のリカバリーケアが大切――。そんな意識は、学生スポーツの世界でも着実に高まっています。全日本インカレでの優勝経験も多く、近年もプロ選手を毎年輩出している青山学院大学・女子バレーボール部はその好例です。今回は2年生のセッター・鉾久香凜(むく かりん)さんにお話を伺いました。同バレーボール部の「選手の自主性」を尊重する伝統が、選手たちの自己管理に対する意識を育んでいるようです。

ひとりひとりが身体についてしっかり考えられる環境がある

鉾久さんは全国大会の常連として知られる兵庫県の強豪校・氷上高校の出身。学生寮には酸素カプセルまで用意されているほど、コンディショニングのための充実した環境が整っていました。

「ケガをしている人は積極的に使っていましたね。ただ、当時の私は大きなケガもなく、高校時代は身体に疲れも残りにくかったので、そうした機器を使ったケアにはまだ無頓着でした。またストレッチについても、練習前のメニューには組み込まれていましたが、『先生に言われたことをやっている』という感覚が強かったと思います」

コンディショニングに対する意識が変わったのは青山学院大学の女子バレー部に入ってから。青山学院大学を進学先に選んだ理由の一つは、「学生の自主性を重んじる伝統があり、自分たちで考えるバレーをしていること」。高校時代に練習参加した際には、その姿勢が日々のケアにも表れていることを感じたそうです。

「練習後に先輩が一緒にストレッチをしてくれて、身体のケアの仕方をいろいろと教えてくれました。『部員のひとりひとりが自分の身体についてしっかり考えられる環境があるんだな』と感じました。今も女子バレー部ではチーム全体でケアの時間を設けていて、2人組でマッサージする時間があるほか、個々人が独自のメニューでケアを行う時間もあります」

練習前は、ストレッチ以前に「筋肉をほぐすこと」が大切だということも、大学に入ってから学んだことなのだそう。

「高校の頃は、筋肉が固まっていて可動域がない状態でいきなりストレッチをしていましたが、今は身体をほぐす動きを先に行うようになりました。大きい筋肉は筋膜ローラーを使い、肩甲骨周りの細かい部分などは小さなボールを使ってほぐしていますね。そうやって身体をほぐしてから動きを入れていくと、やはり練習の中でも身体の動きがよくなると体感できたので、『今日のあのほぐしが良かったから明日からも続けよう』と取り組むメニューも増えました」

日々の練習でも学びの多い青山学院大学の女子バレー部は「文武両道」も大切にしています。練習は毎週6日ほど、1日あたり3~4時間をかけていますが、学業と部活をしっかり両立するためにも身体に疲れを残さないことが大切になります。

「昼間は授業、夕方から夜にかけては練習という毎日では、自由な時間も限られており家で過ごす時間でも各自でケアを行うことが求められます。私は夜の時間はストレッチポールなども使って、長い時間をかけて身体をリラックスさせることを大事にしています。練習や試合が続く時期は、高校時代より疲れが溜まりやすくなった実感がありますが、そのぶんケアの意識を高めることで身体はしっかり動かせていますね。特に夜のケアがしっかりできた日は、翌日の調子が良いのを実感できます」

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