プロ・実業団アスリート

自転車を続けるためには身体の「回復」が重要(1 ⁄ 3)

Ukyo Katayama
Others

目次

レーシングドライバーに登山家、自転車競技選手と、アスリートとして多彩な顔を持つ片山右京さん。現在はJCL(ジャパンサイクルリーグ)のチェアマンも務め、「JCL TEAM UKYO」でのツール・ド・フランスの表彰台を目指しています。その傍らでいまも自転車のトレーニングを続ける片山さんに、これまでのキャリアを振り返っていただきながら、身体のケアやコンディショニングについて伺いました。

身体のコンディションを徹底管理されていたF1時代

1992年に28歳でF1デビューし、97年までの6年間に95戦を走った片山さん。その当時のコンディショニングについては、「レーサーの身体はチームの徹底的な管理下にありました」と振り返ります。

「チームには当然ドクターもいるし、栄養を管理するスタッフもいる。サプリメントなども指定されたものを摂取していました。なおレーサーという仕事については、『車を運転する職業だから体力はいらない』と思う方もいるかもしれませんが、レース中の心拍数は最大で200近くまで達します。F1では5Gや6GといったGフォースに耐えながら走る場面もあります。だからF1レーサーはオフの日はハードなトレーニングをしていますし、僕も当時は1日5時間や6時間のトライアスロンなどをしていました」

なお片山さんは小学生5年生のときに三重県松阪市から自宅の神奈川県相模原市まで自転車で一人旅をするなど、小さな頃からサイクリング少年。自転車には小さな頃もF1レーサー時代も向き合ってきたわけです。
同じ小学生の頃には山小屋に数十キロの荷物を運ぶ「歩荷」の仕事も手伝っており、そのおかげで小さな頃から体力は人一倍あったのだそう。

「F1レーサー時代も僕は筋肉の質が良く、身体の治癒能力も高かったので、身体のケアやコンディショニングについては、言われたことをする以外に何も心がけていませんでした」

登山家としての8,000メートル峰の登頂にも成功した30代後半の時期も、実業団選手の一員として自転車ロードレースに参加していた40代の時期も、「若いときと一緒で勢いだけでやっていました」と話します。

「自分で自転車チームを率いるようになってからは、その考え方も変わりました。トレーナーをはじめとしたスタッフが選手の身体のケアをしてくれることで、パフォーマンスが向上することも実感できています。そういう経験を通じて、いまは『身体のケアもしっかりするのがプロだ』と考えられるようになりました。いまだに『でも最後は根性だよ』と思ってしまう自分もいるのですが(笑)」

SHARE

Back