低周波治療器で最善のケアを「探って楽しむ」
福士さんは2014年から2015年にかけて3度の骨折を経験しながら、1ヶ月あまりの調整で臨んだシカゴマラソンで4位入賞という好成績を残すなど、故障からの復帰が早いランナーとしても知られていました。その秘訣はどこにあるのでしょうか。
「まったく無理しないことですね。低周波治療器など使える治療手段は全部使いつつ、身体を休めるとき以外はたっぷり遊んでいました(笑)。それでまず、メンタルはすこぶる元気になれます。また、リハビリ中は今まで鍛えられなかった部位を鍛えていました。それで復帰した頃には、以前より走りやすい身体になっているし、よりバランスの良い楽な走り方ができるようになっているんです」
福士さんは身体のケアやコンディショニングについても、そうやって自分の身体や心の状態を観察しながら、自分が心地良いと感じる方法を見つけてきました。
「ストレッチは自分が気持ちよく感じるところ、体が熱くなると感じるところを重点的に取り組んでいました。また、水泳やボールを使うスポーツなども、リカバリーの手段として取り入れていました。走るときと違う動きをすると可動域も広がりますし、普段とは違う刺激が入ることで、疲れの抜け具合や翌日の身体の動きが良くなる感覚があったんですよね」
低周波治療器も、現役の頃から確かな効果を感じていたケア方法のひとつでした。
「低周波・高周波の治療器は、選手たちがマッサージを受ける前に交替で使っていて、そうするとトレーナーさんに『身体がだいぶ柔らかくなっているね』と言われることが多かったです。筋肉の中のほうを刺激する鍼とは違って、外側の筋肉の張りを取るのにいいアイテムだなと感じました。チームには最新の治療器がどんどん入ってきたので、本当にいろんなものを試しましたね」
福士さんが低周波治療器をよく使っていたのは膝下の部位とのこと。
「痛みが出ることが多かった脛や足首周辺に貼ることが多かったです。足首周りの関節は走る時にすごく使う部位ですが、ストレッチだけではケアに限界があり、可動域も狭くなりがちなので、低周波治療器でほぐせるのは助かっていました」
モードや強度に関してはいろいろと試してみたうえで「そのとき自分が一番気持ちいいと思うところで使っていた」と話します。
「いま低周波治療器では、痛みを軽減するモード、疲労回復のモード、マイクロカレントのモードの3種類を使っています。低周波治療器は部位を選ばず使えますし、挟み方を変えれば電流の流れ方も変わる。いろんな部位にいろんな貼り方を試してみて、最善のケアを探る道具として楽しんでいます」