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故障時は無理をせず、心のリフレッシュも大切に(3 ⁄ 3)

Kayoko Fukushi
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疲れは完全には消えない。「今日走れる」ところまで回復すれば十分

福士さんは夜、家事をしたりちょっと横になったりしている時に低周波治療器を使うことが多いそう。一方で、「仕事帰りに走る人なら、仕事が終わる少し前にコードレスの低周波治療器を使ってみるのもおもしろいかも」というアドバイスをいただきました。

「筋肉がほぐれた状態で走り出せるので、足の持ちが普段より良く感じるかもしれませんし、その感覚や変化を確かめることも、走ることのモチベーションになると思います。また低周波治療器で片足の痛みが和らぐと、今度は逆の足の痛みが気になってきて、そこがそもそもの故障の原因だと分かる……ということもあると思います」

「そうやって、自分の走りを見直す道具として低周波治療器を使っても楽しいと思いますよ」と福士さんは話します。

「ただ、低周波治療器で痛みのある部位ばかりを強い刺激でケアしすぎると、故障箇所にだけ意識が集中し、走りのバランスが崩れる可能性もあるので、それは避けたほうがいいと思います。低周波治療機が和らげてくれる疲労や痛みというものは、ランニングを続ける限り完全に消えることはありません。特に疲れは年齢を重ねると身体に残るものだし、人は疲れとともに生きなきゃいけない。『今日も走れるくらいの疲れ』まで回復してくれれば十分……そう考えたほうがいいと思います」

福士さんもそうした体の変化と向き合いながら、今も時間を見つけて走り続けているそう。そして、走ることは何歳になっても続けていきたいとのこと。

「80歳になっても走り続けていたいですし、『近くのスーパーマーケットまで行くのが凄く速いおばあちゃん』や『孫より足が速いおばあちゃん』でいたいですね(笑)」

<プロフィール紹介>

福士 加代子さん

1982年3月25日生まれ
青森県北津軽郡板柳町出身

高校で陸上を始め、2000年にワコールへ入社。3000mと5000mで当時の日本新記録をマークし、10000mでも日本選手権6連覇。「トラックの女王」と呼ばれた。その後はフルマラソンでも2013年の世界選手権モスクワ大会で銅メダルを獲得。オリンピックは2004年から2016年まで4大会連続出場を果たした。
2022年1月の大阪ハーフマラソンを最後に、第一線を退く。現在は、ワコール女子陸上競技部のアドバイザーとして指導も行うほか、自身が企画と運営に携わり、初めて主催したランイベント「笑って走れば福来たる駅伝in香川」(通称:「笑福駅伝」)を2023年から毎年開催するなど、走ることの楽しさを伝える活動を行っている。

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