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選手キャリアを重ねてきた今、リカバリーに勉強熱心な理由(1 ⁄ 3)

Isileli Nakajima
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パワフルな肉弾戦に、スピード、戦略、チームワークが融合したスポーツ・ラグビー。選手には強靭な肉体が必要なのはもちろんのこと、激しく消耗した身体の効果的なケアやリカバリーも求められます。今回は、2019年のラグビーワールドカップなどで日本代表として活躍し、活躍を続ける中島イシレリ選手に、日々のリカバリーについて伺いました。

度重なるケガも経て学んだ、プロのケア、リカバリーの意識

ナンバー8やプロップ、ロックなど、強靭な肉体を求められるフォワードのポジションで選手キャリアを重ねてきた中島イシレリ選手。現在のプロフィールは186cm/123kgですが、大学時代やプロになった当初は150kgを超えていた時期もあったそうです。

「その頃は身体のリカバリーやケアも『このくらいでいいか』という感じで、今ほど真面目に取り組んでいませんでした。そしてプロに入ると、求められるフィジカルやスピードのレベルも上がりましたが、僕は大学生の頃の体重のままプレーをしていたので、身体が重すぎる状態で、それがケガの要因にもなりました。また、オフシーズンに好きなものを好きなだけ食べて、体重が増えた状態で新シーズンを迎えてケガをしてしまったこともありましたね」

その意識が変わるきっかけは、プロ入りから3年後にコベルコ神戸スティーラーズに移籍したことでした。

「神戸は海外選手を中心に本当にレベルが高いチームで、身体のケアやリカバリーにも熱心に取り組んでいる選手が多かったです。それを見て自分もストレッチなどのケアに真剣に取り組むようになり、低周波治療器の使用や水風呂に入ることなども自分の習慣にしていきました。また一流の選手たちは、オフシーズンを『身体をリカバリーする期間』と考え、次のシーズンに向けて身体を休めながら、チームに戻る頃には良いコンディションを作っていました。それで自分もそうした意識を持つようになりましたね」

食生活もチームの栄養士に話を聞くなどして、自ら改善したそう。

「今でもハードな練習が続く時期は、フライドチキンなどの自分の大好きな“チートミール”を食べることもありますが、昔みたいにたくさんの量を食べることもなくなりましたし、食事全体のバランスも考えるようになりましたね」

現在はトップアスリートが数多く通う治療院でマッサージや鍼などの治療を定期的に受けており、ピラティスも専門のスタジオに5年ほど通っているそうです。

「ピラティスはストレッチでは伸ばせない筋肉、届かない筋肉も、機械の力などを借りて伸ばせる部分が気に入っています。神戸から離れてピラティスができない時期は、少し身体がだるく感じたり、腰を中心に痛みが出たりもしますが、神戸に戻ってピラティスをすると身体がもとに戻るので、やはり効果は大きいんだなと感じます」

それだけ身体のケアやリカバリーを行っていても、ケガや痛みはプロ選手には付き物。中島選手も「ヒザに水がたまったり、肉離れをしたり、骨折をしたりと、色々なケガをしてきました」と話します。

「2019年のワールドカップ開幕前も僕は肉離れをしていましたが、自分でできるだけのケアをして、トレーナーたちも一生懸命にケアしてくれたことで、何とか大会に間に合わせることができました。あとトンガには『肉をいっぱい食べれば肉離れは治る』という言葉があったので牛肉は意識的に多く食べていましたね(笑)」

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