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プロボクシングの元世界王者が行う30分のセルフケア(2 ⁄ 3)

Hiroto Kyoguchi (Watanabe BOXING GYM)
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メキシコの世界戦にも持参した低周波治療器

セルフのリカバリーケアをより意識するようになったのも、ちょうどケガに悩まされている時期でした。新しく担当になった小林尚睦トレーナーからある器具を見せられ、使用することを勧められたと言います。それが、オムロン ヘルスケアの低周波治療器だったのです。サプライヤー契約を結ぶ3年半前のことでした。
「最初は『こんなケアグッズがあるんだけど、使ってみるか』という感じだったと思います。小林トレーナーの私物を借りて、使用していました。あの当時、使っていたのはコードレスタイプ。ケガをした箇所の左肘周り、あとは下半身の部位にケアすることが多かったですね。ボクシングは上半身に疲労が溜まりやすいと思っている人もいるかもしれませんが、実は下半身を使う競技。パンチも下半身の力を使って打ちますから」
京口選手はこれまでも治療をかねて、マッサージ、筋膜リリースなどの処置を受けることはありましたが、器具を使ってのケアは初めての経験。いざ実際に低周波治療器を使ってみると、思った以上にしっくりきたようです。
「体感としては、『ほどよく気持ちいいな』という感覚でした。電流の強さを調整できるのが良かったですね。日によって疲労度、痛みなどは違うので、それに合わせてレベルを変えられるのは魅力でした。僕の場合、リカバリーモードの『1』を選び、レベルの数値は『10』が多かったと思います」
ジムでの練習後、クールダウンをしながら使用することが多く、ケアの時間は30分1セット。ケガ明けだったこともあり、毎日のように使うようになり、海外遠征にも持って行きました。いまでも覚えているのは2022年6月、メキシコのグアダラハラで行われたWBA世界ライトフライ級スーパー王座の4度目となる防衛戦です。
「試合前にメキシコの現地で調整しているときも使っていました。ホテルのベッドで横になりながら、コードレスタイプの低周波治療器を使っていたことを思い出します。コンパクトで持ち運びに便利だったのですごく助かりました。どこにでも持っていけるのは利点ですね」
メキシコでは毎日、疲労回復に努めて本番に臨みましたが、標高1500mの高地での試合は、想定以上の空気の薄さに苦しみました。開始のゴングが鳴ると、すぐに息が上がってしまったのです。会場は完全にアウェー。かつてないほどの厳しい環境とも戦い、意地でベルトを守りました。「もう二度とあの場所では戦いたくないです」と苦笑いを浮かべるほどです。

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