
1. 膝関節の特性
膝関節は大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)の3つの骨から構成されます。身体の中であらゆる動作に関わっており、歩いたり走ったりする時には体重の数倍の負荷がかかる関節です。ヒザで大きな問題が起きるのは、じん帯、半月板、軟骨。その中でも大きく関節の外側と内側にわけることができます。ヒザの外側で多く見られる症例はオスグッド、ジャンパーニー(腸脛靭帯炎)などがあります。要因の一つには、オーバートレーニングがあります。疲労を抱えたまま練習すると、ケガのリスクが高まります。特に股関節、足首の柔軟性が乏しい人は大きな負担がかかるので注意が必要です。例えば、ジャンプして着地するときに、足首の可動域が制限されていると、ヒザ、腰により大きな負荷がかかります。
一方、ヒザの内側を痛めるときは軟骨損傷、半月板損傷、前十字靭帯損傷が多く、手術の対象になる場合もあります。一度、ヒザの軟骨を損傷してしまうと、その後腫れの症状が続きます。その後の選手生命にも関わる大切な部位です。プロサッカー選手がヒザのケガが原因で引退を余儀なくされることが多いのも軟骨損傷です。コンタクトプレーなどで突破的に負傷することもあれば、自らヒザを捻るケースもあります。ジャンプの着地でヒザが内側に入り、ねじれてじん帯を断裂することも珍しくありません。