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「専門のトレーナーにしっかり聞いて、確認することが大事。リカバリーケアも同じ。自分の中だけでとどめず、ケガを未然に防ぐためには、コミュニケーション能力も重要」
小湊選手は高校に入学してから長期離脱するようなケガは一度もなく、筋肉系のトラブルもありません。今年度からチームの主軸となり、タイトな試合スケジュールをこなしていますが、練習をほとんど休んでいません。長距離バス移動で8時間近く揺られるときも、筋肉が固くならないようにトイレ休憩のときにストレッチを欠かさず、足をほぐしています。コンディションを整えるために食事、睡眠にも目を向けており、プロ顔負けの自己管理です。
「プロでもケガで休む選手はいます。この先、チャンスを逃さないためにも、ベストなプレーができる状態を保ち続けたいです」
ただ、何からなにまで専門的な知識を持っているわけではありません。小湊選手は謙虚に自らを見つめていました。
「専門のトレーナーにしっかり聞いて、確認することが大事。リカバリーケアも同じです。自分の中だけでとどめないこと。ケガを未然に防ぐためには、コミュニケーション能力も重要な要素です」
恵まれた環境でサッカーに打ち込んでいますが、高い意識を持って毎日を過ごしているのも事実。すべては大きな目標を成し遂げるためです。高校サッカーのラストイヤーは、残すところあと数カ月となりました。夏のインターハイは、まさかの初戦負け。長丁場のリーグ戦で争う高円宮杯JFA U-18プレミアリーグは現在3位(8月23日時点)。そして、高校サッカーの集大成となる冬の全国高校選手権は、これから県予選が始まります。前年王者のエースナンバーを背負う17歳は、重圧を感じながらも覚悟を口にします。
「青森山田の10番は確かに重いですが、そのプレッシャーから逃げたくありません。前年度は全国三冠(インターハイ、全国高校選手権、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ)を達成しているので、比較されるのは仕方ないですが、自分たちはやるべきことをやり続けるしかないです。プレミアリーグは最後まで勝ち続け、選手権は2連覇を目指します」
心身ともにタフな高校生の言葉には、名門の看板を背負う矜持がにじんでいました。