アマチュア

全員一律ではなく『個別性』が大事(1 ⁄ 3)

Kanto Daiichi High School Soccer Club
Soccer

目次

昨年度の全国高校サッカー選手権で初のベスト4進出を果たした東京の関東第一高校。今夏も3大会ぶり6度目のインターハイ出場を果たすなど、近年は全国大会の常連になりつつあります。就任13年目を迎える小野貴裕監督は、チームを強化する上で身体づくり、コンディショニング、ケガの予防にも力を入れていると言います。では、日々どのような指導をしているのか――。東京都江戸川区にある高校を訪ねて、直接聞きました。

「ウォーミングアップは毎回変えている」

関東第一高は、サッカーで外傷を負いやすい足首の捻挫(ねんざ)、肉離れを予防するためにいつも入念なウォーミングアップを行っていますが、ルーティンはつくっていないと言います。小野監督の考え方は、柔軟性に富んでいます。
「練習の強度に応じて、その都度ウォーミングアップは変えているんです。あくまでその日のトレーニングにつながるものにしています。日によってはボールを触ってから、セルフ(個人)でしてもらうこともありますし、トレーナーの指導のもとで行うこともあります。緩い感じで練習に入ることはないですが、最初から締めつけ過ぎるのもよくないのかなと。少し自由度を残しています」
ウォーミングアップのメニューを変えるなかでも、常に気をつけていることはあります。筋肉に負荷をかけること。そして、股関節の可動域を出すこと。
「足首、膝を痛める選手は、股関節の可動域が出ていないことが多いんです。専門的なトレーナーのほうが詳しいですが、脚が引き上がらなければ、足首、膝には大きな負担がかかります。ですので、股関節まわりの可動域を出すようなメニューは必ず取り入れています」
関東第一高ではプロのスポーツトレーナーに平日1回、週末2回来てもらい、指導を受けていると言います。小野監督自身も勉強をしていますが、その知識だけでは足りないようです。スポーツ医学、身体のトレーニングは日進月歩で変化していきます。身体の構造を深く理解した専門家の指示を仰ぐ必要性を口にしていました。ただ、手厚い指導体制を整えるなかでも、小野監督は一方通行にならないように気を配っています。
「『なぜ、いまこのウォーミングアップをしていると思う?』と選手たちにいつも問いかけています」
選手自身の意識を促すための声がけは欠かしません。

SHARE

Back