アマチュア

強くなるために一番大事なのはケガをしないこと(1 ⁄ 3)

Nihon University Fujisawa Senior High School
Soccer

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2014年度の全国高校サッカー選手権でベスト4に入り、17年のインターハイでは準優勝を果たした日本大学藤沢高校。近年、目覚ましい成績を残している神奈川の強豪校は、どのようなトレーニングをしているのか。07年からチームを率いる佐藤輝勝監督が力を入れているのは、サッカーの戦術、技術指導だけではありません。こだわりを持って取り組んでいる体づくり、コンディショニング、リカバリーケアを中心に話を聞きました。

「選手が悪いからケガしたのはではない」

日大藤沢高校の練習は、コーディネーション能力を養うサーキットトレーニングから始まる。身体のバランスを整え、パワーを効率よく使えるようにするのが主目的です。新チームをスタートさせるときに3カ月、半年のスパンで計画を練ります。試合期間になると、省くことはありますが、2時間ある全体練習の内、30分間は費やします。
「戦術、メンタル、コンディショニングをトータルで考えています」(佐藤監督)
毎日、同じことを繰り返すのではなく、曜日によってメニューを変わります。コツコツと続けると、効果はてきめんです。小柄な選手はアジリティーが向上し、大柄な選手は動きがスムーズになると言います。来年度、Jリーグの清水エスパルスに加入が内定している森重陽介選手はまさに好例でしょう。高校3年間で徐々に変化し、いまでは198cmの巨体をしなやかな動かすことができるようになっています。コーディネーション能力の向上に力を入れる理由について、佐藤監督ははっきりと言います。
「トレーニングで一番大事なのは、ケガをしないことです」
17年にインターハイで準優勝する前から6年近くは続けています。全国大会の連戦でケガなく全6試合を乗り切ったことは、一つの成功体験になりました。かつては選手の特徴に関係なく、全員に器具を使った筋力トレーニングを課し、筋肉のバランスを崩した選手が出たこともありました。その結果、無理な動きに身体が耐えきれず、膝の前十字靭帯を損傷したり、腰のヘルニアを患ったり、疲労骨折をするなど、ケガ人が絶えませんでした。ただ、現在は筋トレも自重トレーニングがメイン。選手それぞれの身体、コンディションに応じて、回数と量も調整しています。
リカバリーケアも欠かしません。選手たち自身の意識は高いです。今夏、和倉ユースサッカー大会2022に参加した際にはオムロンの低週治療器の体験会に積極的に参加していました。いまも普段の練習後には贈呈されたサンプル品を選手たちが使用し、筋肉の疲労回復に務めているようです。外部トレーナーを招き、専門的な指導も受けています。
身体をケアする上で、体を休めることも大事。週1回は必ずオフがあります。コーチングスタッフの休みも確保し、心身ともにリフレッシュすることを大切にしています。失敗から学ぶことは多かったようです。
「選手自身が悪いからケガをしたのはではなく、こちら側に何か問題があったのではないかと考えるようにしました。常に指導者である自身に矢印を向けて、トレーニング計画の改善に取り組んでいます」

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