
重要なのは、トレーニングとリカバリーのバランス
創設から7年でJ3リーグでの優勝を果たし、J2への昇格を手に入れたいわきFC。その強さのベースとなるのは、フィジカルを重要視するチーム独自の取り組みにあると、坂田さん、江川さん両選手は確信を持って語ります。
「チームがテーマとして掲げているのが、〈日本のサッカーのフィジカルスタンダードを変える〉ということ。例えばアメフト選手の体格やスピード、体力なども見据えながら、海外にも通用する身体作りをして、日本のサッカー界を変えていくことを目標にしています」(坂田)
「90分間、止まらない、倒れないサッカーを体現するという指標もあるので、そこに向かってチーム全員がトレーニングを頑張っています。シーズンに入る前の1〜2か月は、特に走り込みや筋トレの量を増やして、自分の身体の土台をしっかり作る。トレーニングの量も質も、どこにも負けない自信がありますし、それが個人だけでなくチームとしての成長にも繋がっているのではないかと思っています」(江川さん)
フィジカルを強化するために、いわきFCがとりわけ重視しているのが「ストレングストレーニング」と呼ばれる筋機能全般のトレーニングです。
「自分の場合、オフ明けの二日間は、身体を追い込むように筋トレに取り組みます。そして偏った筋肉がついてしまってはだめなので、午後が休みの日には足りない部分の刺激を入れたり。体幹部分、軸の部分を鍛えつつ、休ませる部位は休ませるというメリハリを意識して、常に気を張りすぎないようにしています」(江川さん)
そうやってハードなフィジカルトレーニングを重ねるうえでは、身体のリカバリーも自ずと重要になります。
「筋トレだけやっていてもだめで、食事や睡眠、休息といったリカバリーとのバランスが良くないとサイクルがうまく回っていきません。そのことはいつも意識しています」(坂田さん)
「チームとして週に一回、それぞれの代謝性を測ることを行っています。筋肉量や体脂肪、体重の変化を目に見えるものとして認識することで、次にどこに向かうかの目標が立てやすくなる。その目標に向けて、トレーニングやリカバリー全般を計画していきます」(江川さん)